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Gegenpress / ゲーゲンプレスとは ~サッカー用語から学ぶ英語表現~

FIFA World Cup 26 が6月11日~7月19日まで開催されます。今回の記事ではサッカー・ワールドカップに因み、「報道から学ぶ英語表現」 番外編的に「サッカー用語から学ぶ英語表現」をご紹介。その他、スポーツ通訳等についても、過去記事などを振り返りつつご紹介します。PexelsによるPixabayからの画像)

FIFA World Cup 26

FIFA, CC0, via Wikimedia Commons

2026年6月11日~から7月19日まで、北米3か国の16都市で開催される FIFA World Cup 26

史上初となる3か国開催の主開催国はアメリカ、そしてカナダとメキシコが補助開催国となっています。

日本代表 初戦で
再び注目を集めたのは...

日本時間 2026年6月15日 早朝5時、アメリカ・テキサス州アーリントンにあるダラス・スタジアム(AT&Tスタジアム)で行われた 日本 対 オランダ戦。

試合結果は、皆さんご存知の通り劇的な展開により2-2の引き分けとなりました。

そしてサッカー・ワールドカップではお馴染みの、日本のサッカー・ファンによる試合終了後のゴミ拾いも再び注目を集めました。

CBS TEXAS は Japan America Society of Dallas / Fort Worth の Nina Shimaguchi / シマグチニナさんに取材。

シマグチさんは、日本の学校教育では当たり前となっている生徒自身による教室などの清掃や、神道等の文化的側面を用いて、日本のサッカー・ファンによる試合終了後のゴミ拾いを説明、紹介しています。

サッカー用語
ゲーゲンプレス

ゲーゲンプレス / ゲーゲンプレッシングGegenpress / Gegenpressing)」とは、ボールを奪われた直後に、その場で相手に素早くプレス(=プレッシャー)をかけてボールを奪い返す戦術のことです。

このゲーゲンプレス / ゲーゲンプレッシングは、「〜に逆らって, 〜に対して, 〜と反対方向に」 という意味を持つドイツ語の前置詞 Gegen に由来します。

【今週のドイツ語】Gegen Windmühlen kämpfen (2022.02.10 Young Germany)

ゲーゲンプレスは、そのまま使われることもありますが、英語では「カウンタープレス / カウンタープレッシング (Counter-press, Counter-pressing) 」と表現される場合もあります。

【ゲーゲンプレス】意味や種類について徹底調査!(2022.09.09 スポスル マガジン)

from the Cambridge dictionary

counter verb 
to react to something with an opposing opinion or action, or to defend yourself against something:

counter- prefix
opposing or as a reaction to something:

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/counter

ユルゲン・クロップ監督

ゲーゲンプレス / カウンタープレスを世界に浸透させた第一人者として知られるユルゲン・クロップ / Jürgen Klopp 監督 が、フランス語で話す記者の質問を英語に訳す男性通訳者に対して、質問に答える前に「超エロい声だね」とジョークを言うオモシロ動画を見つけたので、蛇足ながらご紹介します(笑)

会見等で
省略されがちな表現
~通訳者の視点~

試合後の記者会見等でも、サッカー用語、特に「ゲーゲンプレス」の様な戦術名は良く出てきます。

Gegenpressing is the best playmaker / Counter-pressing is the best playmaker. = ゲーゲンプレッシング / カウンタープレッシング は勝負を決めるいちばんのテクニックです

この様な使われ方が多いですが、 ゲーゲンプレス / ゲーゲンプレッシング または カウンタープレス / カウンタープレッシング ではなく「ゲーゲンは~ / カウンターは~」等と省略して話されることもあります。

さらに、この様な発言は、文脈及び試合運び次第で意味合いが変わる場合もあります。ですので、通訳者も発言者の意図や内容を正確に理解出来る様に、試合を観戦する必要があります、

どこで怪我やケンカやらのハプニングが起こるかわかりませんし、記者が何を聞くか、選手や関係者がどの様に答えるかもわからないので、通訳者は本戦のみならず、予選もウォーミングアップも観戦します。

私が、国際オリンピック委員会 / IOC 通訳チーフインタープリター 日英/英日チームメンバーとして参加した、2008年北京(夏季オリンピック)、2012年ロンドン(夏季オリンピック)、2014年ソチ(冬季オリンピック)でも同様でした。

右田アンドリュー・ミーハン

記者会見で
よく出る表現

弊社代表で現役通訳者の右田アンドリュー・ミーハンは、FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023  の、FIFA主催による記者会見にて英日通訳(同時)を務めています。

FIFAワールドカップには、当たり前ですが「サッカーに精通した人」が集まっています。

選手やコーチ、監督などの競技関係者はもちろん、メディアの人々も日頃からサッカーを取材している人が多く、ゲーゲンプレスを「ゲーゲン」と端折って話す様に、言葉、特にテクニカルターム / technical term = 専門的な技術用語や術語を端折って話す事も多々あります。

例えば「間延び」。普通の会話の中でも使われる「間が延びた、しまりのない事」を意味する言葉ですが、サッカーでは「ライン間が必要以上に空いてしまうこと」を意味します。

サッカーの試合では、選手の陣形として「最終ライン、中盤、最前線」と大きく分けて3つのラインがあります。その間隔が開いてしまうことを「間延び」と呼びます。この言葉は記者会見でも良く出てきました。

本来であれば、隙が出来ない様にフォーメーションを組んでいるのに、試合中にそれが崩れて、相手に入り込まれる隙が出来てしまう状態を「間延び」と表現しています。

これを英語にする場合は、上記意味を踏まえて 例えば creating gaps or holes between the players (usually midfielders). または becoming less compact などと表現できますが、これはあくまで一般的な訳の一例です。

実際の記者会見では「間延び」と言う日本語が出た場合の、前後の文脈に併せて臨機応変に訳す事が求められます。

スポーツに
関連した通訳

右田アンドリュー・ミーハンは、ラグビー日本代表戦・生放送の同時通訳を務めた事もあります。

さらに、2019年9月20日から11月2日まで、日本で開催された第9回ラグビーワールドカップ開催時に行われたワールドラグビー理事会及びワールドラグビーアワードでも同時通訳を務めています。

選手やチームに
帯同する通訳者

スポーツに関連する通訳者と言うと、選手に帯同する通訳者を思い浮かべる人も多いと思います。

ゴルフの松山英選手の通訳を務めた通訳者ボブ・ターナー(Bob Turner)氏は、早稲田大学にて勉強をしつつ、早稲田のゴルフクラブにも参加。

その後、ゴルフやテニスのトーナメントに参加する外国人選手のサポートをする仕事に就き、様々な有名選手をサポート。

1987年 アメリカに帰国後は、ターナー氏の息子のアレン(Allen)氏が、シアトル・マリナーズ(野球)の 佐々木主浩選手や、イチロー選手の通訳者を務めていた縁で、2011年 松山選手がマスターズに19歳で参加した時からサポートを務められています。

この様に、プロアスリートに帯同する通訳者の多くは、何らかのスポーツ経験者であったり、長らくそのスポーツ業界で活躍をされていた方が務めている事が多いです。

これは通訳者が、そのスポーツ用語はもちろんルールや人間関係、業界を熟知していないと、的確にサポートが出来ないからです。

以下記事でご紹介・現在もロサンゼルス・ドジャース球団職員として大谷翔平選手の通訳を務めているウィル・アイアトン(Will Ireton)氏も同様です。

この為、アスリートに帯同、またはチームの通訳者や選手の専任通訳者として活躍する人は、通常の通訳者とは異なるキャリアを持つ人が多いです。

競技場以外でも
必要とされる通訳者

選手やチームに帯同する通訳者以外にも、スポーツに関連した、通訳が必要とされる場は多々あります。

例えば、右田が通訳を務めた様な試合中継での通訳や、試合後の記者会見での通訳等はイメージしやすいと思います。

また国際的なスポーツイベント開催時には、ゲーム以外にも、選手や競技関係者を招いたイベントが各地で多数行われますし、各国の競技組織代表者が集まる事から、ミーティングや食事会 / 晩餐会が行われたりもします。

選手がステージに上がって話すようなイベントでは、逐次通訳で対応する事も多いですが、各国の競技組織代表者が集まるミーティングや食事会、晩餐会等では、参加者人数も多い為、同時通訳が導入される場合もあります。

その場合、様々な言語の人々が参加するので、英語をピボット言語としたリレー通訳で行われる事も少なくありません。

このほか、スポーツ関連でミーハンが手掛けている案件では、アンチ・ドーピング機構(JADA / WADA) や、スイス・ローザンヌにあるスポーツ仲裁裁判所(CAS)の通訳・翻訳業務等もあります。

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