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松山英樹選手の通訳者

アメリカ で開催された「マスターズ」にて、アジア出身選手として初の優勝を果たした松山英樹。松山選手は英語での簡単なコミュニケーションは出来るそうですが、会見等では通訳者が帯同しています。今回はその松山英樹選手の通訳者 ボブ・ターナー氏を紹介する記事についてご紹介したいと思います。

松山英樹の通訳者

2021年4月5日~11日、アメリカ・ジョージア州にあるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催されたゴルフのメジャー選手権「2021 マスターズ」にて、アジア出身選手として松山英樹選手が初の優勝を果たされました。誠におめでとうございます。

日本中そして世界中のメディアが、松山英樹選手に注目をしていますが、ニューヨークのタブロイド紙「New York Post」は、4月11日に How Bob Turner helped Hideki Matsuyama become historic Masters champion と言うタイトルの記事を掲載しました。

この記事では、松山選手の通訳を務めた通訳者ボブ・ターナー(Bob Turner)氏が紹介されてます。

通訳者
ボブ・ターナー

New York Post 及び Essentially Sports の記事によると、ボブ・ターナー(Bob Turner)氏は、1972年に札幌に来日。末日聖徒イエス・キリスト教会(通称 モルモン教)の伝道活動中に日本人女性と出会い、アメリカに帰国後 結婚。

しかし奥様がホームシックにかかった事から再来日し、早稲田大学にて勉強をしつつ、早稲田のゴルフクラブにも参加。その後、ゴルフやテニスのトーナメントに参加する外国人選手のサポートをする仕事に就いたとの事。

タイガー・ウッズやセベ・バレステロスなどのトッププレーヤーが、ゴルフトーナメントに参加する為に来日した際、一緒に仕事をしていたボブ・ターナー氏は、1987年アメリカに帰国。

ターナー氏の息子のアレン(Allen)氏が、シアトル・マリナーズ(野球)の 佐々木主浩選手や、イチロー選手の通訳者を務めていた縁で、松山英樹選手が19歳でマスターズに参加した2011年から、ボブ・ターナー氏は松山選手をサポートしていると、同記事では紹介されています。

相手に通じる様に
言葉を訳す

New York Post の記事で、ボブ・ターナー氏は以下の様に自分の通訳について語っています。

“I’m not a translator,” Turner explained. “I don’t translate word for word. I’m an interpreter. I hear what he’s saying, and then I try to say it as an American, or someone who speaks English, would say the same feeling.

New York Post  How Bob Turner helped Hideki Matsuyama become historic Masters champion

「私はただの通訳ではありません。言葉をそのまま異なる言語に訳しているのではないのです。彼が話していることを聞いて、それが米国人や英語を話す人と同じ気持ちの表現になるよう言い換えているのです。」

 New York Post  当該記事を日本語にて紹介した スポーツ文化・育成&総合サイト THE ANSWER松山英樹の「ただの通訳ではない」苦楽を共にした68歳米国人通訳の“信念”に注目」より引用 

ポイントは I don’t translate word for word. I’m an interpreter. でしょうか。

Translateとは、一般的に日本語では「翻訳」と訳されますが、「AをBに置き換える」や「平行移動させる」と言う意味もあります。

ですので、I don’t translate word for word. は「言葉をそのまま異なる言語に訳しているのではない。」と訳されています。

そのあとに続く I’m an interpreter ですが、Interpret には 「解釈する」や「(言葉の)意味を伝える」と言う意味があります。

この Interpret に、人を表す er を付けた言葉が Interpreter = 通訳者です。

つまり I don’t translate word for word. I’m an interpreter は、その後に続く文章も考慮して要約すると「私は、言葉を単に別言語に置き換えるのではない。彼が(日本語で)話した事を、英語を話す人に伝わる様に訳している通訳者だ」と言う訳になります。

セレスコヴィッチ
意味の理論

大学院等にて通訳を勉強する際に教えられる「意味の理論 」というものがあります。

この理論は著名な通訳者であり、ソルボンヌ大学の通訳翻訳高等学院(ESIT)の学長も務めたダニッツァ・セレスコヴィッチ氏によるもので、簡単に言えば「通訳とは言葉を置き換えるのではなく、意味を伝える事」と言う理論です。

例えば、アラビア語を話す人だったらコーランから、キリスト教圏の人だったら聖書からの引用を、挨拶やスピーチ等で使う事が、通訳の現場ではよくあります。

しかし、それを直訳してしまうとコーランや聖書を良く知らない人にとっては、全く意味が通じない場合があるので、前後の流れも踏まえて、分かるように訳す必要があります。

話の終了時や別れ際に、話者が「皆さんに神の祝福がありますように」とアラビア語で話したら、日本語では「皆さんのご活躍を心よりお祈りしております」と訳します。

また、英語圏では誰かがくしゃみをした際に「Bless You」と言う習慣があります。この「Bless You」を直訳すると「あなたに祝福を」となりますが、この場合は日本語では「お大事に」と訳した方が自然ですし、意味も通じます。

ボブ・ターナー氏がNew York Post の記事にて語っている事も、この「意味の理論」に該当します。

そしてミーハングループの合言葉「言語だけに留まらない 文化・ビジネス・心の橋渡し」にも、同様の意味が込められています。

ゴルフ関連の通訳

スポーツ関係の通訳と言えば、パッとイメージされるのは選手に随行したり、チームに帯同したりする通訳者かと思います。

彼らは言語スキルがあるのはもちろんですが、それぞれのスポーツのルールや用語、業界を熟知している必要がある為、学生時代等にそのスポーツをやっていた人が、通訳者を務めている事が多いです。

しかし、会議等を中心に通訳をしている人でも、例えばスポーツに関するシンポジウム等で通訳をする事があります。

ミーハングループ代表の右田・アンドリュー・ミーハンも、全米ゴルフ協会(USGA)が、2019年3月に日本で開催した 第5回 USGA ゴルフイノベーションシンポジウム にて通訳を務めました(3人体制同時通訳の内1名として参加)。このシンポジウムには松山英樹選手も参加しています。

また、企業経営者や政府高官による外交の場では、ゴルフ場等で親交を深める場合もあり、そう言った場に会議通訳者が随行通訳として同行する事もあります。右田・アンドリュー・ミーハンも、米国国務省大臣のゴルフ場での随行通訳を務めた事もあります。


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