
北米3か国16都市で開催中の FIFA World Cup 26。今回のW杯で話題となったモノの1つにノルウェーチーム・サポーターによる Viking Row があります。そこで本記事では、この Viking Row を紹介する記事や投稿を軸に、幾つかの英語表現をご紹介。さらに開拓社から出版された、サッカー英語の語彙・表現をコンパクトにまとめた辞典もご紹介します。(Aline DasselによるPixabayからの画像)
Viking Row とは
北米3か国16都市にて、2026年7月19日まで開催される FIFA World Cup 26。
今回のW杯で話題となったモノの1つに、ノルウェーチーム・サポーターが観客席等にてボートを漕ぐ様な動きをする Viking Row があります。
Viking Row の Row は、英語の童謡 ♪Row, row, row your boat, Gently down the stream ~ 等でも歌われる様に、オールを使って、船またはボートを漕ぐことを意味します。
from the Cambridge dictionary
row noun (MOVING THROUGH WATER)
Countable noun, usually singular
The activity of making a boat move through water using oars (= poles with flat ends):row verb
to cause a boat to move through water by pushing against the water with oars (= poles with flat ends):
では Viking Row とはなんなのでしょう?ノルウェー政府観光局が運営する観光サイト Visit Norway.com が早速紹介していたので、冒頭の部分を引用にて紹介します、
Norway's viral tribute
The Norwegian Viking Row
from Visit Norway.com
What is the Viking Row? Norway's viral football chant is a Viking-inspired fan ritual rooted in ancient Norwegian rowing traditions, fjords, lakes and life by the sea.https://www.visitnorway.com/typically-norwegian/the-viking-row/
CBS Sports Golazo の動画 The Viking Row Explained: Norway's Viral World Cup Trend でも説明されていますが、 Viking Row とは、ノルウェーの礎を築いたヴァイキングからインスピレーションを得て、伝統であり生活の一部でもある船を漕ぐ様子を動きに取り入れた、ノルウェーチーム・サポーターの応援スタイルであり、Chant / チャントでもあります。
船を漕ぐ動作をする際の掛け声はノルウェー語で RO!「(船を)漕ぐ 」と言う意味を持つ動詞 å ro の命令形とのこと。
「RO!」って何?ノルウェー全土が熱狂する謎の掛け声「バイキング・ロウ」が世界を席巻するまで(6/25 Yahoo Japan / Yahoo エキスパート)
鐙麻樹 北欧ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会会員|写真家
「ロウ」とはどんな言葉か「ロウ」とはノルウェー語で「Ro」と書き、(船を)「漕ぐ」の意味を持つ動詞「å ro」の命令形だ。「RO!」と強めに言うことで、「漕ぐぞ」「漕げ」というような掛け声になる。
実はノルウェー語表記を日本語のカタカナ表記にするのは、地味に時間を要し、頭を抱える作業だ。正しい書き方ひとつに着地することは難しく、日本語表記には複数の選択肢が残る。
日本語のニュースでは「うー」など様々な説明がされていたが、動画で聞いただけではカタカナ表記に戸惑うのは当たり前だと筆者が感じるほどに、「Ro」はどう書こうか迷ってしまう。
そもそも音は日本語の「ロ」と「ル」のどちらでもなく、その真ん中にあるような音なのだ。「ロ」「ロウ」「ルウ」「ロッ」「ローウ」「ル」など、候補は複数あるが、どれもちょっと違う。だが恐らく「ロウ」というカタカナ表記で定着するだろう。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/59fe1ac2ca43d378aade16e9b7dd2054b1ec4e3e
Chant / チャント とは?
from the Cambridge dictionary
chant verb
- to repeat or sing a word or phrase continuously:
- to sing a religious prayer or song to a simple tune:
サッカーのチャントとは?日本代表・Jリーグの定番応援歌を歌詞付きで紹介
2026.06.12 / ENSPORTS fan より
サッカーのチャントとは応援歌やコールのこと
サッカーの試合観戦では、チームやシーンによって異なるチャントが使用されます。チーム全体の鼓舞や特定選手への称賛、敵チームへの威圧など、使い分けるのが基本。日本代表や海外チームはもちろん、高校サッカーでも歌われます。
Viking
ヴァイキング とは
Viking / ヴァイキング を簡単に説明するならば【8世紀~11世紀 ヴァイキング時代 / Viking Age と呼ばれる時代に、現在のスウェーデン、ノルウェー、デンマーク=スカンディナヴィアに住んでいた、交易や略奪を生業とした人々】と言えるでしょう。
【やばい世界史】「海賊」と呼ばれた商人たち ――ノルマンディーを築いたヴァイキングの正体
伊藤敏: 世界史講師
教養地図で学ぶ 世界史「再入門」
2025年6月17日 ダイヤモンド・オンライン
ヴァイキング Viking とは入江(フィヨルド)を意味する古ノルド語(古代の北欧言語)vík に由来するもので、その名称自体が「商人」を意味します。(中略)
(中略)スカンディナヴィア半島やユトランド半島を原住地とするヴァイキングは、人口増加や商業活動の停滞から、ヨーロッパ各地に出没し、略奪などを繰り広げるのです。一方で、商業民族の本分として、交易活動の拡大にも貢献します。ヴァイキングは主に3つに大別され、それぞれ、①デーン人(ユトランド半島)、②ノール人(スカンディナヴィア西部)、③スウェード人(スカンディナヴィア東部)と呼ばれます。彼らが後に原住地に建国した国家が、それぞれ①デンマーク、②ノルウェー、③スウェーデンに発展するのです。
日本時間 7月1日午前2時からアメリカ・ダラスで行われたコートジボワールとの試合にて、ノルウェー代表は1対2で勝利。
28年ぶりに16強入りを果たした選手たちは、試合終了後、観客席のサポーターと共に Viking Row を披露しました。
野球の試合で
Viking Row
2026年6月23日 ニュージャージー州メットライフ・スタジアムで行われたサッカーW杯 グループ I 第2節の試合で、ノルウェーはセネガルに3対2で勝利し、決勝トーナメント進出を決めました。
興奮冷めやらぬ大勢のノルウェーサポーターは、その翌日の6月24日 ニューヨーク市シティ・フィールドで行われたメッツ対カブスの試合に参加。
MLB(Major League Baseball )のアカウントが、その時の様子をX(旧Twitter)にて投稿しました。
https://x.com/MLB/status/2069862291361706275?s=20 からのキャプチャ
この投稿に書かれた The bleachers have been transformed into a longship は、以下2つの言葉を知らないと、意味はもちろんですが、テキストに込められたニュアンスを把握するのは難しいでしょう。
1) bleachers
主にアメリカで使われる英語表現。野球場やスポーツ施設等にある屋根のない席のこと。外に出てる(屋根がない)ため、ブリーチ(漂白)した様な、色褪せた状態になっている事から bleachers と呼ばれるとのこと。
日本で言うところの外野席=グラウンド外野エリアに設けられた、チケットの価格が比較的安く、熱心なファンが集まって応援歌を歌ったりする観客席に近いイメージです。
from the Cambridge dictionary
bleachers noun
a sloping area of seats at a sports field that are not covered and are therefore not expensive to sit inAmerican Dictionary
bleachers plural noun
(in a building or structure for viewing sports) seats that are usually not covered and often farthest from the actionhttps://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/bleachers
2) longship
ロングシップとは、ヴァイキングが使用した四角い帆と多数のオールを備えた、戦闘用・交易用の細長い木造帆船のことを意味します。
from the Cambridge dictionary
longship noun
a long and narrow ship with one square sail (= sheet of material attached to a pole to catch the wind and make the ship move) and many oars (= long poles with a wide, flat part at one end, used for moving a boat), used by the Viking people:https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/longship
もちろん、この2つの英語表現を知らなくてもMLBの投稿には動画もあるので、直感的に理解することはできると思います。
しかし、The bleachers がチケットの価格が比較的安く、熱心なファンが集まって応援歌を歌ったりする観客席で、longship がオールで漕ぐヴァイキングの帆船だとわかると、より動画で紹介された光景の臨場感が増しませんか?
投稿に添えられた The bleachers have been transformed into a longship を、ご紹介した意味を踏まえて意訳をすると「賑やかな外野席がヴァイキング帆船に変身!」と言った感じでしょうか。
因みに MLB はWebsiteでも、以下見出しの記事にてノルウェーサポーターの様子を伝えています。
- Vikings in the outfield? Norwegian fans flock to Cubs-Mets game(June 25th, 2026 MLB.com)
- バイキング”が外野席占拠!ノルウェーファンがメッツ戦に襲来 (June 25th, 2026 MLB.com / 日本語)
英語で表現する
日本代表 敗退
ノルウェー代表は28年ぶりに16強入りを果たしましたが、日本時間 6月30日アメリカ・ヒューストンスタジアムで行われた決勝トーナメント1回戦 ブラジルとの試合にて、日本代表は2対1で惜しくも敗退しました。
Japan coach on World Cup exit, loss to Brazil: Gap is closing(Jun 30, 2026, ESPN)
The heartbreak was all too familiar for Japan at the World Cup.
The country's national team hung in until the very end Monday but were eliminated from the tournament -- the third straight time Japan has had the lead in the knockout round and lost. This year, it was to five-time champion Brazil 2-1 on a late goal in injury time.
このESPNの記事では、冒頭、それぞれ異なる4つの言葉で敗退を表現しています。
- World Cup exit
- loss to Brazil
- eliminated from the tournament
- the lead in the knockout round and lost
from the Cambridge dictionary
eliminate verb
- to remove or take away someone or something:
- to defeat someone so that they cannot continue in a competition:
https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/eliminate
なお、ノルウェー代表は日本時間7月6日朝5時からニューヨーク・ニュージャージースタジアムで行われる試合にて、ブラジルと対戦します。
再び勝利を祝う Viking Row は見られるのか、それとも... 結果は神のみぞ知る / God only Knows ですね。
サッカー英語の
語彙・表現小辞典
本ブログでも、何度かサッカーにまつわる英語表現はご紹介していますが、サッカー英語 特有の語彙や表現を、海外メディアの豊富な用例とともにコンパクトにまとめた『サッカー英語の語彙・表現小辞典―サッカーが好きなら英語も好きになる―』が、2026年5月14日 開拓社から出版されました。
著者である島根県立大学 田中芳文名誉教授は、小学生からサッカーを始め、中学、高校では全国大会に出場。その経験がベースとなり、サッカーにまつわる英語表現の辞典の製作を思い立ったそうです。
サッカー英語、fireやcheekyの意味は?…中高で全国大会に出場した名誉教授がスポーツ報道の表現を辞典に(2026/06/15 読売新聞オンライン / 関西発のニュース)
ゴールシーンやピンチの場面、選手・監督のインタビューで使われる基本的な語彙から決まり文句まで、サッカー好きなら思わず引き込まれる内容が掲載されているとのこと。
FIFA World Cup 26 に関連する報道を、この辞書片手に読めば、英語学習のモチベーションが高まるかも知れませんね。
書籍概要
[一歩進める英語学習・研究ブックス]
『サッカー英語の語彙・表現小辞典―サッカーが好きなら英語も好きになる―』
- 著者:田中芳文
- 価格:2,860円(税込)
- 出版社:開拓社
- 詳細
https://www.kaitakusha.co.jp/book/book.php?c=1229
【著者略歴】
田中 芳文(たなか よしふみ)
島根県松江市生まれ。岡山大学大学院教育研究科修了。島根県立大学 看護学部・大学院看護学研究科教授、人間文化学部教授などを経て、2026年に名誉教授。専門は英語学・社会言語学。





