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英語で表現「阪神タイガースがアレを果たす」

プロ野球チーム 阪神タイガースが、2023年9月14日セ・リーグ優勝を果たしました。18年ぶり6回目の優勝とのこと。この優勝に関連して注目を集めた言葉を皆さんはご存知でしょうか。それは「アレ」つまり「優勝」と言う言葉を伏せた表現です。そこで今回はこの「アレ」についてご紹介する他、スポーツ関連の英語表現等もご紹介したいと思います。Takuro ObaraによるPixabayからの画像)

阪神が
アレしてもうた

プロ野球チーム 阪神タイガースが、2023年9月14日セ・リーグ優勝を果たしました。

今年の優勝は18年ぶりとのこと。待望の優勝であった事は間違いありません。

その盛り上がりは凄まじく、警察が注意喚起や対策を講じていたにも関わらず、歓喜のあまり戎橋 等から道頓堀川に飛び込む人もいたようです。

さて、阪神タイガースの優勝が目前に迫ってきたころから、使われ出した言葉「アレ」も人々の注目を集めました。

使い方は、優勝前は「阪神がアレしてまう?」「阪神がアレしそうやな」、優勝後は「阪神がアレしてもうた」「阪神がアレした!」等々。

つまり「アレ」とはリーグ優勝の事。あえて「優勝」と言う言葉を伏せて話す為に「アレ」が使われました。

会話や文脈の流れで「アレ」が「優勝」を指す事は、野球好きな方や阪神タイガースを応援している人にはスグに分かる事なのに、あえて「優勝」と言う言葉を伏字にしたのはナゼなのでしょうか?

『アレ』で伝わるコミュニケーション-阪神タイガースの『アレ』が意味するもの-
ニッセイ基礎研究所 社会研究部 研究員 島田 壮一郎

2005年以来18年ぶりに阪神タイガースが『アレ』を達成した。前回と同じく岡田監督が率いての『アレ』である。筆者も出身が関西であり、あまり野球を見なくなった今でも嬉しいものである。(中略)

2005年以降、優勝から遠ざかっていたが、何度も今年は優勝できそうだと言われる年もあった。2008年は2位に大差をつけて首位を独走していたにも関わらず、最終的には巨人に追い越されリーグ優勝を逃した。また2021年にも好調であったにも関わらず失速し、優勝を逃した。

この2つの年の阪神においてインパクトを残しているのが日刊スポーツの出した「Vやねん!タイガース」という雑誌と朝日放送の「阪神優勝してまう!?」と冠した番組であろう。振り返ってみるとこれらが発売・放送された後から失速したような結果になってしまった。

このトラウマからどれだけ好調であっても「リーグ優勝」に触れることを避けるというようなノリがあった。2023年のシーズンにおいて阪神の成績が良かったため、リーグ優勝のことを『アレ』と称する流れが盛り上がりを見せた。

https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=76133?site=nli

日本には「言霊」という言葉があります。英語で言うなら Spiritual or mystical power of the word でしょうか。

「言霊・ことだま」とは「言葉に宿る霊力や不思議なチカラ」のことで、古代 日本では 発せられた言葉には良いことでも、悪いことでも、実現する力があると信じられていました。

つまり、阪神のリーグ優勝を「アレ」と伏字で言うのは、優勝を逃さない為のおまじない / ジンクス 的な意味もあったのかも知れません。

《発掘秘話》阪神・岡田彰布監督が「優勝」ではなく「アレ」と言い続けた“納得の理由”
文春オンライン『阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや?』より #4
喜瀬 雅則

「言うたら、おかしなことになるんよ。いらんこと言うたらアカン」

 つまり「優勝」という単語を封印する、というわけだ。理由を説明するために岡田が持ち出したのは、阪神監督時代の2008年、ソフトバンクと交流戦の優勝を争い、最終戦で逃したというエピソードだった。

「コーチがな、ミーティングでよ。『お前ら、こんなんやったら優勝でけへんぞ』って言い よったんよ。あれからアカンようになったんよ」

 そのコーチの意図は、もちろん選手の気を引き締めるためのものだろう。しかし岡田は、それを逆に“心のスキ”と見たのだ。

https://bunshun.jp/articles/-/65734

この記事から阪神タイガース 岡田彰布監督は、ずいぶん前から「アレ」と言う表現を使っていたことが分かります。

阪神タイガースのスローガンは、目的を意味する Aim 、尊敬を意味する Respect 、力を与えると言う意味の Empower を組み合わせた「A.R.E(アレ)」だったとの事ですから、選手・ファン共に「アレ」が「優勝」を意味する事は、当たり前なほど浸透していたのでしょうね。

英語で「アレ」を表現

さて ここまでの内容でわかる通り、英語で「アレ」を表現する場合も、会話の場合はお互いが、文章の場合は読む人が、前後の文脈から「阪神のリーグ優勝」についての話題だと理解している事が大前提になります。

それを踏まえて「阪神がアレしてもうた」を英語で表現するなら The Tigers did it. / Hanshin did it. / They did it. / It happened. 等と言えると思います。

日本語もそうですが、自然な口頭での英語表現の場合「阪神タイガース / Hanshin Tigers 」とは言わず、略して言う傾向が強いです。

もし阪神タイガースの選手 またはファン同士の会話で「俺たちアレしてもうた」と言うなら We did it. / It happened. でしょうか。

「やったぜ!」感を出したいのであれば We made it と言う事も出来るかと思います。

「アレ」の次は
「ソレ」? 「コレ」?

さて、リーグ優勝を18年ぶりに果たした阪神タイガースですが、次に狙うはセ・リーグ / パ・リーグ の優勝チーム戦=日本リーグを制し、日本一になる事。

今年2023年 パ・リーグはオリックス・バファローズが3年連続15回目の優勝を果たしていますから、関西球団同士による「日本一」決定戦となります。

因みにセ・リーグは「セントラル・リーグ / Central League」の略、パ・リーグは「パシフィック・リーグ / Pacific League」の略語になります。

参考:日本野球機構(NPB)Websiteより 球団別インデックス

岡田監督は、優勝が決定した試合の後「一応、今日で『アレ』はみんなで封印して」と話したそうで、その語「日本一」を表すのは「ソレ」か?「コレ」か?と巷では盛り上がっている様です。

岡田阪神「アレの次」の言葉めぐり大盛り上がり ソレ、アチラ、さらに...著名人もネットも続々参戦(9/15(金)  JCASTニュース / Yahooニュース)

「次はソレ!」を英語で表現するなら You know what’s next. / You know what comes next. でしょうか。この場合、期待感を込めて言いたい表現です。

スポーツチームの
優勝に関連した英語表現

日本のスポーツ、特に野球などで優勝が決まると良く行われるのが、監督やコーチ、活躍した選手の「胴上げ」です。

「胴上げ」は、英語では Toss (Coach) high into the air (as a group) と表現できます。 (Coach) の部分は監督 / Manager や 活躍した選手 / MVP (most valuable player) に変えて使うことも出来ます。

アメリカの場合「胴上げ」と同様の行動として、他の選手が活躍した選手や監督、コーチなどを肩の上に乗せてフィールドから去る光景が見られます。

これは Carried off the field (on their shoulders) と表現されます。

日本では優勝チームがお祝いの場で、酒樽を割ったり、「ビールかけ」をする光景をよく見かけますが、欧米の場合は、その様な場所ではシャンパンが用意される事が多いです。

ですので First bottle of champagne is sprayed などと言われる事もあります。

また「ビールかけ」的な行為は Spray champagneChampagne fight (選手同士のシャンパンのかけあい) 等と表現されます。

また報道などのレポーターが、優勝した選手等によく聞く言葉 「今のお気持ちは?」は、How do you feel right now? / Tell us how you feel.

優勝についてどう思われますか (= あなたにとってこの優勝が意味するところは)は What does this (championship) mean for you? などと表現します。

いずれにせよ、日本シリーズで阪神タイガースが「ソレ」をしたら、海外からの観光客もビックリなほどファンは盛り上がる事でしょうね。

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