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旧統一教会 他 宗教にまつわる英語表現 ~ 報道から学ぶ英語表現 ~

文部科学省は、2023年10月13日 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対しての「解散命令」を、東京地方裁判所に請求しました。そこで今回は報道から学ぶ英語表現の一環として、このニュースを始めとした宗教に関連するエピソードや表現を「通訳者の視点」からご紹介します。Andrys StienstraによるPixabayからの画像)

旧統一教会
英語表記

2023年10月13日 日本の文部科学省が、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対しての「解散命令」を東京地方裁判所に請求しました。

旧統一教会の「解散命令請求」文部科学省【更新・解説】(2023年10月13日 NHK 政治マガジン)
Japan asks court to dissolve 'Moonies' church over Shinzo Abe killing (13 October 2023 BBC)

旧統一教会は、日本だけではなく世界的にも知られていることは、ご存知の方も多いと思います。

この組織「世界平和統一家庭連合」の英語名称は The Family Federation for World Peace and Unification 頭文字から FFWPU と表記される場合もあります。

一般名称としては、日本では旧称の「世界基督教統一神霊協会」を短くした「旧統一教会」がよく知られていますが、これは英語では widely known as the Unification Church 等と表記する事が出来ます。

また、正式名称ではありませんが、最も良く知られている英語の呼称は Moonie / The Moonies になります。

from Cambridge dictionary
Moonie (noun) informal
a member of the Unification Church, a religious group whose members must obey its rules and teachings completely:

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/moonie

旧統一教会に関連する
アメリカでの裁判

アメリカでは、旧統一教会 / Moonie 関連の裁判は1982年から始まっています。

参考リンク:United States v. Sun Myung Moon, 532 F. Supp. 1360 (S.D.N.Y. 1982)

弊社代表 / 通訳の右田アンドリュー・ミーハンは、2004年 日本に帰国するまでニューヨークで通訳をしており、90年代に 旧統一教会 / Moonie の裁判で裁判通訳を担当したことがあります。

もうだいぶ前なのでうろ覚えですが、私が携わったのは元の事件ではなく別の法律違反の事件だったと記憶しています。

当時 旧統一教会は、裁判に負けても提訴を繰り返し裁判を長引かせていたほか、様々な訴訟を抱えていました。

私が裁判通訳をしたのは、FBIなどが関わる複雑なケースだったと記憶しています。私はFBI側またニューヨーク検察側に立って、日本人証人の通訳を担当しました。

右田アンドリュー・ミーハン

既存宗教 /
新興宗教 / カルト

世界5大宗教 / The five major world religions と言えば イスラム教、仏教、キリスト教、ユダヤ教、ヒンズー教と言われており、世界の人口の約77%がこの世界5大宗教のいずれかを信仰していると言われています。

地図で分かる、世界5大宗教の歴史と広がり(Jul. 13, 2023 BUSINESS INSIDER)

これら、一般的に良く知られている宗教に対して、新たに興った宗教の事を新宗教 / 新興宗教 と日本語では言いますが、英語では  new religion または alternative spirituality などと言ったりします。

また、時にこの新たに興った宗教を カルト / カルト宗教 / Cult / Cult religion と呼ぶ場合もあります。

from Cambridge dictionary
Cult (noun)
a religious group, often living together, whose beliefs are considered extreme or strange by many people:

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/cult

これ以外にも宗教に関する英語の表現では Sect があります。これは日本語では「宗派」と訳されるのが一般的です。

from Cambridge dictionary
sect(noun)
 a religious group that has separated from a larger religion and is considered to have extreme or unusual beliefs or customs:

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/sect

既存宗教、新興宗教、カルト宗教の定義や線引きは、国や人によって様々ですので、注意が必要です。

日本での奇妙な裁判

2008年に東京地裁で行われた米国人 格闘技講師 テリー・ビーモン / Terry Beamon 被告の公判で、通訳を担当した事があります。

Couple acquitted in gym injury death of young son ( Apr 4, 2008 The Japan Times)

この裁判は、公判後に法廷で暴れた傍聴人の男が裁判官に襲いかかり、法服を破った事でも報道されました。

日本裁判官ネットワークのブログ
https://blog.goo.ne.jp/j-j-n/e/a841cfde0590f79514cd47fccef52390

法廷では、テリー・ビーモンとその妻が「自分達の息子を木の棒で叩き重傷を負わせたか否か」について争われました。残念ながら当時4歳だったお子さんは、この怪我が元で亡くなられています。

本人達は否定していますが、被告のテリー・ビーモン夫妻は宗教活動をしていたと言う話もあり、傍聴席は被告が運営していたジムの会員なのか、彼を教祖として仰ぐ信者なのかわかりませんが、黒装束に身を包んだ人々で満席でした。

彼らは何かある度に立ち上がったり、敬礼したりと奇妙なパフォーマンスを繰り返し、通訳にも文句をつけるなど、やりたい放題でした。

最終的に、この被告夫婦は無罪となったのですが、本当にやりにくく、神経を削られる通訳だったと記憶しています。

右田アンドリュー・ミーハン

通訳者と宗教

日本は仏教や神道、そして古来からのアニミズム的なものが混じった宗教観を、多くの人々が持っていることは、世界的にも知られています。

生活の中で、宗教に関してアレコレ聞かれる事は少なく、強い信仰心を持つ人も余り多くはありません。

しかし、世界の中には強い「宗教観」を持つ人もおり、それ故に、良く知らない相手の「宗教観」についてアレコレ詮索するのは、非常に失礼な事とされています。

また、相手の宗教を勝手に決めつけることや、相手の宗教に配慮しない発言や行動も失礼にあたります。

しかし、ここが難しいポイントなのですが、自分とは異なる「宗教観」を持つ人とは、出来れば一緒に仕事をしたくないと考える人もいます。

※宗教だけを理由に、一緒に仕事をしない、仕事を与えない等は「宗教差別」にあたるので注意が必要です。

特に通訳の場合、状況や内容によっては依頼者 / クライアントの宗教観を含む様々な価値観や考えを訳す事になるので、事前にチェックが入る場合もあります。

チェックに関しては、プライベートな事なので軽く聞かれる程度がほとんどですが、何ページにも渡った契約書にサインをさせられたり、研修を受けさせられるケースも、稀にあります。

通訳者は、自分の考えや信念を話すのではなく、言語と言うスキルを使ってクライアントが話したことを忠実に、または話や交渉がスムーズに進められる様に訳し、サポートするのが仕事です。

ですので、通訳者の宗教観や価値観などは「本来の業務」には関係ないのですが、そう言った事を気にするクライアントも居ると言うことや、様々な宗教観を持った人がクライアントになる可能性があると言うことは、アタマに入れておく必要があると思います。

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https://meehanjapan.com/tag/english-from-news/

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