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パラフレーズ ~言葉につまった時~

「パラフレーズ / Paraphrase」と言う言葉をご存知でしょうか?「言い換え」や「置き換え」などと和訳される言葉ですが、日本語を他言語に訳すさい、例えば言葉に詰まってしまった時など「パラフレーズ」は知っておくと便利です。そこで今回はこの「パラフレーズ」の活用方法、またパラフレーズを用いた勉強方法などを少しご紹介したいと思います。

パラフレーズとは

パラフレーズ / Paraphrase は、「言い換え」や「置き換え」などと和訳される言葉です。

paraphrase
【verb】

to repeat something written or spoken using different words, often in a humorous form or in a simpler and shorter form that makes the original meaning clearer

Cambridge dictionary

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/paraphrase

英英辞書 Cambridge dictionary には「同じことを別の言葉を使って書いたり話したりすること」とあり、続いて「元の意味をより明確にするため、よく、より簡単で短い形で表現される」と説明しています。つまり「言い換え」です。

verb = 動詞なので Paraphrase / Paraphrasing と現在進行形で表される場合もあります。

日本では分かりにくい説明に対して、言い換えて確認する際「逆に言うと」や「裏を返せば」などと言うことがありますが、それと同様の意味を持つ言葉です。

逆に言うと / 裏を返せば 〇〇は〇〇って事ですよね。
Let me paraphrase it, 〇〇 is 〇〇. Correct? 

やさしい日本語
和語を使った
パラフレーズ

日本語以外の言語を話したり、書いたりする場合、自分の伝えたい事を上手く別言語に出来ない場合があります。

また、話したい / 書きたい事柄を表す別言語の表現がわからない場合などもあります。

書く場合は調べたり、人に聞くなどして対処する事ができます。最近だと自動翻訳ソフトを使う手もあるでしょう。話す場合でも、少し時間をもらえば同様の対応でクリアする事も可能です。

しかし 例えば会話や会議の途中などで、そのいずれの方法も取れない場合は、どの様にしたら良いでしょう。

黙ってしまう、自分の意見などない様に曖昧に笑うのは、時に相手に対して大変失礼な態度にうつる場合もあるので気を付けて下さい。

その様な場合は、やさしい日本語 / 和語を使ったパラフレーズを使うと切り抜ける事ができます。

例えば「XX 川が氾濫し、XX 町は破壊され家屋も浸水した。」と言う文章を英語にする際、氾濫や破壊、家屋、浸水と言う英語の単語がわからなかった(出てこなかった)とします。

その場合、元の文章を一度「やさしい日本語 / 和語」にしてみて下さい。簡単に英語に置き換える事が出来ます。

  • 原文
    XX 川が氾濫し、XX 町は破壊され家屋も浸水した。
  • 和語
    XX 川から水があふれ出し、XX 町を壊し家々に入ってきた。
  • 英語
    Water ran over from the XX River, destroying XX, and entering (our) houses.

ポイントは、伝えたい内容をシンプルな表現=やさしい日本語 / 和語に置き換えて、それを英語や他言語にすると言う事です。

長い文章や文節の場合は、短い文章にするのも大事です。

パラフレーズを使った
語彙を増やす勉強法

TOEIC (LRSW) 満点、英検1級、IELTS8.5点、TOEFL114点、VERSANT80点満点と言う素晴らしい成績をお持ちで、YouTube 登録者数50万人突破と言う人気チャンネルも運営する Atsueigo さんは、このパラフレージングを用いた「英語の勉強方法」を紹介しています。

これは、簡単な表現から別の表現(複雑な表現)に言い換えて、語彙や表現を増やす勉強方法です。

母語以外の言葉を勉強する場合、語彙を増やす為にパラフレーズ=別の表現に言い換える方法を使った勉強をするのは、有効だとミーハングループも思います。

また通訳者の場合は別言語の修得のみならず、日本語(母語)の語彙も豊かでないとなりません。

ですので、通訳者は「日本語」「習得言語」双方で、パラフレーズを用いた勉強が必要になります。

通訳/翻訳における
パラフレーズ

何度かこのブログでも説明をしてきましたが、日本語にある表現と全く同様の意味の表現が、英語や他言語には無い場合があります。

こう書くと「いやでも、本は Book だし、鉛筆は Pencil 。食べるは Eat で、眠るは Sleep でしょ」と思われる方もいらっしゃると思います。

確かに世界的に使われているモノや、世界中の人々に共通する行動や事柄などは、日本語をそのまま別言語に置き換える事は可能です。

しかし、固有の文化や常識、習慣、背景情報を持つ言葉や表現の場合、同じ意味の言葉や表現はありませんし、置き換え可能な表現でも意味が通じない場合があります。

また複雑な表現や、デリケートな表現を含んだ会話や文章の場合も同様です。

この様な場合 通訳者や翻訳者はパラフレージングを活用して、相手に伝わる様な表現に訳しています。

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