緊急事態宣言以降、減少していた新型コロナウイルス感染者数ですが、残念ながら再び上昇しています。ミーハングループ・ブログでは、新型コロナウイルスに関連する様々な新しい表現についてご紹介していますが、今回は再び感染者数が増加している状況に関連した英語表現をご紹介します。
また後半は、このコロナ禍で一気に広まったオンライン会議にまつわる日本的な問題について、異文化の視点からご紹介致します。
感染者の増加
東京都は毎週金曜日、新型コロナウイルスについての英語によるレポート動画をYouTubeにて公開しています。
小池百合子東京都知事が自ら英語で説明するこの動画は、話題となりましたのでご存知の方も多いと思いますが、新型コロナウイルスに関連した英語の表現を知るにも良い映像だと思います。
また 東京都の新型コロナウイルス感染症・対策サイトは、現在 日本語以外に英語、簡体中国語。繁体中国語、韓国語、やさしい日本語での表示が選択できるようになっています。各言語の翻訳については、暫定的な訳である事が注意事項としてページ上部に表示されていますが、これも新しい表現を知るヒトツの方法です。
東京都・新型コロナウイルス感染症対策サイト
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
感染者数
小池百合子東京都知事の動画及び東京都のWebsiteにも、新型コロナウイルス感染者や感染者数にまつわる表現は多数見受けられますが、公的な機関である為、どうしても堅苦しい表現が多くなります。
そこで英語圏のメディアで見られる感染者数にまつわる表現を少しご紹介します。
- 新型コロナウイルス感染者
new cases of COVID-19
※前後の文脈で感染者の話である事がわかっている場合は new cases でも可 - 新型コロナウイルス感染者数
その日の総数の場合
Cases reported today
漠然とした総数ならば
Cases - 感染者数の上昇 (増加)
Increase in the number of cases - 第二波
Second wave, second surge - 陽性率
Percentage of positive tests
またアメリカ・NYにある翻訳会社 Eriksen Translations Inc では、新型コロナウイルスに関連する英語表現150用語を、日本語も含む以下18言語に翻訳した表をWebsiteに掲載しています。
アラビア語、ベンガル語、中国語簡体字、中国語(繁体)、フランス語、 ギリシャ語、 クレオール語(ハイチ)、ヘブライ語、 ヒンディー語、 イタリア語、 日本語、韓国語、 ポーランド語、 ポルトガル語、 ロシア語、 スペイン語、 ウルドゥー語、イディッシュ語
Eriksen Translations Inc.
COVID-19 Glossary—Japanese
https://wp-clients.s3.amazonaws.com/eriksen/20200710123357/Japanese_COVID-Glossary_Eriksen-Translations.pdf
当ブログの新型コロナウイルスに関連する全ての記事は、ブログタブ「COVID-19関連用語」にてご確認頂けます。
世界の在宅勤務状況
さて、長引く新型コロナウイルス感染拡大状況の中で、世界的にも在宅にて勤務をする人が増えました。
この新たな日常における新しい働き方の結果として、仕事とプライベートの線引きが難しくなり、燃え尽き症候群となる人も増えているとBBCは動画レポートで伝えています。
Zoomハラスメント
リモートハラスメント
世界的には、在宅勤務の弊害として、仕事とプライベートとの切り替えがしにくく、燃え尽き症候群になる人が増えている事がレポートされましたが、日本ではオンライン会議におけるハラスメントが、注目を集めています。
オンライン会議で良く用いられるアプリ・Zoomにひっかけて、「Zoomハラスメント」略して「Zoomハラ・ズムハラ」、またの名を「リモートハラスメント」略して「リモハラ」等と呼ばれるこの問題は、在宅勤務によるオンラインを活用した仕事において発生する、セクハラ的事例や、パワハラ系な事例を指しています。
セクハラ的な行為
- 室内の様子を映すことを求められる
- 全身を映すことを求められる
- 異なる格好(パジャマなど)になることを求められる
- 体型について指摘される
- 化粧の有無や服装について指摘される
- 1対1でのオンライン飲み会に誘われる
- SNSでの個別のつながりを求められる
パワハラ的な行為
- 業務に関する指導以外の説教をされる
- 行動や時間の使い方について必要以上の説明を求められる
- 同居者(子どもなど)の声や生活音などについて不快感を示される
- オンライン会議を過度に求められる
- オンライン飲み会をしつこく求められたり、その場で私生活について指導される
リモートハラスメント(リモハラ、テレハラ)とは? 快適に働くための予防法や対処法を考える(Voista Media)より
https://media.voista.jp/harassment/remote-harassment/
海外での事例
さて、似たような事例が海外で起きているのか?簡単ではありますが、調べてみました。しかし日本の様なリモートハラスメントまたはZoomハラスメントの事例や記事を見つける事は出来ませんでした。
これは、そもそもオンラインだろうが、オンラインでなかろうが、プライベートへの詮索は、海外、特に英語圏ではご法度であり、パートナーの有無、結婚の有無、子供の有無、年齢、出身地等についてアレコレ聞くのはNGとされている事が、関係していると思います。
特に "Where are you originally from?" と言った質問は、前後の文脈や話題等の流れもありますが、場合によっては非常に危険な質問になります。肌の色や見た目から「本来はどこの出身か?」と聞く事は、人種差別的と見なされる場合もあります。
またリモートでのパワハラ的行為に関しても、オンラインだろうが、オンラインでなかろうが、やってはいけない行為として認識されています。
Zoomハラを英語にするなら
あえて日本の事例的な、Zoomまたはリモート環境でのセクハラを英語にするならば、online sexual misconduct と訳す事は出来ます。
しかし先ほどご説明した通り、そもそもオンラインであろうと無かろうと、ハラスメントはハラスメントなので、日本の様な事例を英語にする場合は、単純に Sexual harassment / harassment 、または Sexual harassment online or harassment online や、Sexual harassment through (or on) zoom , harassment through (or on) zoom で良いのかも知れません。
パワーハラスメントは和製英語
因みにパワーハラスメント(Power harassment)は、実は和製英語です。
職場での権力や立場=パワーを利用した嫌がらせを強調する意味で、日本で作られた言葉で、英語の表現ではありません。(参照リンク・Wikipedia https://bit.ly/3gvGAzb )
英語の場合は、通常は harassment (嫌がらせ)のみで使われますが、「職場での」を強調したい場合は、Workplace bullying (職場でのいじめ) と言う表現や、Workplace aggression (職場での攻撃)、また「権力」を強調したい場合は、 Abuse of authority (権力の乱用)と言う表現が適当かと思います。
Zoom-bombing
Zoomの機能を使ったハラスメント(嫌がらせ)を指す言葉には Zoom-bombing (Zoom爆撃)があります。
しかし、これは悪意を持ってZoomでのミーティングに参加し、不適切な画像や動画を共有する攻撃のことで、アプリの脆弱性や、セキュリティの甘さを突いたサイバー攻撃とみなされていますから、日本語の Zoomハラやリモハラ とは少し意味が違います。
Zoomでは、こう言った問題についてセキュリティをアップデートし対処している様ですが、万が一 Zoom の機能を使った違法行為を受けた場合は報告するページが、英語のみにはなりますが、用意されています。
Reporting abusive behavior
https://support.zoom.us/hc/en-us/articles/200613919-Reporting-abusive-behavior