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Zoom疲れの理由・オンラインミーティングではナゼ疲れるのか?

前回のブログでは、今後しばらくはオンライン・ミーティングが主流になる事を踏まえ、知っておきたい事や便利なアプリ等を紹介しました。

オンラインミーティングについて

新型コロナウイルスが蔓延する現在、オンライン・ミーティングは非常に便利ですが、弊害もある様です。

Zoom疲れ
Zoom fatigue

最近、日本でも目にする言葉「Zoom疲れ」。英語では "Zoom fatigue" と言いますが、これは何もアプリ「Zoom」を使用してミーティングをすると疲れると言う話ではありません。オンラインミーティングをすると非常に疲れる事を意味しています。

さて、なぜ人はオンラインミーティングをすると、通常の対面でのミーティングより疲れるのでしょうか?

その理由について、ナショナル・ジオグラフィックが記事を掲載しています。

同記事では、Zoom疲れ理由の一つに非言語コミュニケーションがとりずらい事を上げています。

記事本文からの引用

人間は、何も話していないときにも情報のやりとりを行っている。直接の対話においては、脳は話されている言葉に注意を払うと同時に、非言語的な手がかりからもさまざまな意味を読み取っている。

たとえば、相手が自分にまっすぐ向いているのか、それとも少し斜めなのか、話をしながらそわそわと体を動かしているのか、話をさえぎろうとすばやく息を吸い込んだのか、といったことだ。

そうした手がかりは、話し手が何を伝えようとしているのか、また聞き手にはどんな反応が期待されているのかといった全体像を把握するうえで役に立つ。人間は社会的動物として進化してきたため、大半の人はそうした手がかりの意味を自然に読み取り、感情的な親密さの基礎を築くことができる。

一方、ビデオ会議では、言葉に対して継続的に強い注意を向けることが要求される。たとえば、ある人の肩から上だけしか画面に映っていなければ、その人の手の仕草やボディランゲージを見る機会は失われる。またビデオの画質が低い場合は、ちょっとした表情から何かを読み取ることは不可能だ。

「そうした非言語的な手がかりに強く依存している人にとって、それが見られないというのは大きな消耗につながります」と、フランクリン氏は言う。
「ズーム疲れ」は脳に大きな負担、なぜ? より)

非言語コミュニケーション

非言語コミュニケーション=ノンバーバルコミュニケーション(Non-Verbal Communication)については、以前このブログで紹介した、通訳者 グラッツィエ−ラ・デ・ルイスさんのインタビューに、以下の様なコメントがありました。

ESITでも教えている事で、通訳の仕事で重要なポイントなのですが、言語によって伝わるのはわずか7%。非言語である話し方や口調は38%、態度やジェスチャーで伝わる情報は55%もあるそうです。(グラッツェーラ・デ・ルイス)

生きる為に言葉を覚えた・通訳者 グラッツィエ−ラ・デ・ルイスさんインタビュー

これはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)心理学名誉教授のアルバート・メラビアン(Albert Mehrabian)博士が、1970年代に行った「矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方」についての実験及び、メラビアン博士の1971年の著書『Silent messages(邦題:非言語コミュニケーション)』における調査に基づいています。

  • 視覚情報…見た目、身だしなみ、表情(視線)など…55%
  • 聴覚情報…声の質・大きさ・速さ(テンポ)…38%
  • 言語情報…話す言葉そのものの意味…7%

一般的には「メラビアンの法則」または「7-38-55のルール」と、この数値は呼ばれています。

しかし、メラビアン博士は「メッセージの受け手が声の調子や身体言語といったもの(非言語コミュニケーション)を過度に重視するのは、メッセージの送り手が、どちらとも取れるメッセージを送った状況でのみ発生することであり、単に事実のみを伝えたり要望をしたりするコミュニケーションの場合には無関係である」とも言っています。

高度な駆け引きが含まれる国際会議等の会話では、非言語コミュニケーションを重視し、通訳しなければならない事も多々あると思いますが、通常の会議や会話ではどうでしょうか?

複雑な人間関係の上になりたつ会社や仕事のミーティングでも、やはり非言語コミュニケーションは無視できない要素ではありますよね。

目は口ほどに物を言う

ところで、新型コロナウイルス感染拡大防止の為に、現在は世界中の人が着用しているマスクですが、初期の頃にはマスクを着用する事は不必要と判断したり、過度な抵抗感を表した国や人も沢山いました。

今年の2月には、マスクをしたアジア系の人が、NYで襲撃されるといった衝撃的なニュースもありました。

マスク姿のアジア人女性がニューヨークで暴行受ける (ニューズウィーク日本語版)
Asian Woman Allegedly Attacked in New York for Wearing Protective Mask

なぜ、マスク着用に特に欧米の国々や人々は、こんなに抵抗感を表すのでしょうか?

それについての面白いコラムがあります。

欧米人は主に「口」で表情を作るので、顔の下半分が見えないと、相手の表情が分からず怖い、不気味だと感じる傾向があるようです。そのため、「顔の下半分」を隠すのは、相手に対して失礼であり、礼儀に欠けている、というとらえ方をする欧米人が多かったのです。(中略)

日本ではサングラスというと、「どこかカジュアルで、くだけたイメージ」があります。そのため、目上の人と会う時や接客時などは、サングラス姿はふさわしくないというのが日本人の共通認識です。日本では、不良や反社会的な人が「目の表情」を相手に悟られないためにサングラスをしているという説もあったりするので、この辺りの話はなかなか奥が深そうです。
欧米人がマスク嫌いだったのはなぜ? 日本との「美意識」の違い より)

オンラインミーティングでマスクをしたまま、またはサングラスをしたままと言う事は少ないでしょうが、欧米の人々とオンラインで会話をする際に、こんな感覚(文化)の違いがある事を知っていれば、表情の作り方や、カメラの位置などを気をつける事で、コミュニケーションが少しスムーズになるかも知れません。

疲れない
オンラインミーティング

さて、実際に会う事なくオンラインでミーティングが増える中、どの様にしたら疲れずにミーティングをする事が出来るでしょうか?

最初にご紹介したナショナル・ジオグラフィックの記事では、視覚情報をあえて減らす(音声のみの会議にしてみる)等を上げています。また、コチラの記事でもカメラ位置を変えて、正面から見る事を止める等を薦めています。

しばらくはこの状態が続くと思われますし、実際のコミュニケーションと、オンラインでのコミュニケーションは違うと割り切って、モニター越しでも顔を見る事にこだわらず、スムーズにミーティングが行えるよう、工夫をして乗り切りたいものですね。

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