改正された大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部が、2024年12月12日より施行されます。そこで今回は、この法改正及び大麻に関連する事件などについてや、それに付随する情報を通訳者の視点からご紹介。またHip Hop翻訳家の方についても、少しご紹介したいと思います。
大麻取締法の改正
大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部が、2024年12月12日より施行されるのはご存知でしょうか?
2023年12月6日に可決・成立した本法案は、大麻草を原料にした医薬品の使用を認める一方、若者などの乱用を防ぐため、「使用」の禁止を盛り込んだ内容になっています。
- 大麻“使用”禁止盛り込む 改正大麻取締法 参院で可決・成立(2023年12月6日 NHK NEWS WEB)
- 大麻に使用罪適用の改正法12月施行 由来成分利用の医薬品が使用可能に(2024年9月12日 産経新聞)
- 令和6年12月12日に「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」の一部が施行されます(厚生労働省)
一方で、アメリカの一部の州およびカナダなどを始め、世界では大麻/マリファナの規制緩和、合法化も進んでいます。これに関連して、興味深い記事があったのでご紹介します。
「大麻使用罪」ができると、自国で大麻を吸った多くの外国人旅行者が日本で処罰される!(2023年9月3日 YAHOO エキスパート 園田寿)
実際に同法が施行された後、どの様に運用されるかは まだ不明ですが、訪日観光客が増加の一途をたどる現在、同記事が指摘する様に「混乱が生じる」可能性も否定は出来ません。
ポール・マッカートニー
マリファナ不法所持
マリファナの不法所持で逮捕された有名人と言えば、元ビートルズのメンバーで世界的なミュージシャンである ポール・マッカートニーの事が良く知られています。
1980年の来日時に、スーツケースに入っていたマリファナが発見され、空港で逮捕。9日間 留置場にも拘留されました。
ポール・マッカートニー、来日時にマリファナ所持で逮捕された1980年当時を回想。「9日間も留置所で過ごす羽目になるなんてさ」(2018.08.23 rocking' on )
Paul McCartney recalls the time he spent nine days in a Japanese jail(21st August 2018 NME)
ポール・マッカートニーほど有名ではなくても、例えば マリファナの使用規制が緩和されていたり、合法化されている地域から訪日する場合、所持はしていなくても、バッグの中にマリファナのクズや粉が落ちていたりした場合、麻薬探知犬に発見され、空港で捕まるケースも少なくありません。
先日、弊社代表の右田アンドリュー・ミーハンが通訳を務めたのも、マリファナの使用が禁止されていない地域からの観光客でした。
その人も、実際にマリファナを所持していたわけではなく、使用していたバックに麻薬探知犬が反応。調べたところ微量のマリファナのクズが検出され、空港で逮捕されたそうです。
警察署や拘置所での面会
訪日または在留する外国人が逮捕後、警察署での取り調べを受けたり、拘置所に収監された場合、通訳者は単独で面会する事は出来ず、必ず弁護士等の同行者が必要になります。
面会時間は1回15分。なので通訳を行う場合は急いで対応しなければなりません。
面会時に差し入れなどを希望する人もいますが、差し入れ可能な物品は決められており、かつ警察署や拘置所によっても異なります。日本の警察署や拘置所で差し入れできる代表的なモノは以下になる様です。
- 衣類(スウェット、シャツ、パンツ、靴下 ※色・柄、サイズや形状、紐や装飾、ブラジャーなどに禁止事項あり。)
- 書籍(ホッチキス止めやしおり、カバーなどは禁止)
- コンタクトレンズ、眼鏡(ブランド品が禁止される場合があります)
- 現金(2万円くらいまで)
アメリカでの差し入れ / Allowable Items の規定については、コチラからチェックできます。
司法通訳者は、容疑者や被害者の通訳だけではなく、例えば容疑者家族の言語サポートや、被害者関係者、証人等の通訳も行うこともあるので、裁判に限らず、拘留や取り調べ等についての知識が必要となる場合もあります。
日本での裁判における司法通訳の難しさや、謝罪についての意識の違い等については、以下記事でも紹介しておりますので、ご興味のある方はチェック下さいませ。
HipHop 翻訳家
さて、アメリカの音楽業界ではヒップホップ界の重鎮 ディディことショーン・コムズが、性的人身売買疑惑で逮捕・起訴された事件が注目を集めています。
ショーン・コムズ被告を男女7人が新たに提訴 強姦被害など訴え(2024年10月22日 毎日新聞)
6 people accuse Diddy of sexual assault in new lawsuits, including man who was 16 at the time(October 15, 2024 AP)
先日Abema Newsでも この話題が取り上げられ、Hip Hop 翻訳家のShotGunDandy さんが、ディディことショーン・コムズや、Hip Hop界の状況、事件の背景等について解説をされました。
Hip Hop 翻訳家である ShotGunDandyさんの、noteのプロフィールには、以下のような紹介文が掲載されています。
本場のHipHopの曲をニュアンスやスラング、文化や背景までを徹底的に解説して行きます! 黒人系アメリカ人でありながら日本で育った上に30年以上HipHopを愛してきた知識もあります!
ShotGunDandy さんは、ご自身のYouTubeチャンネル @shotgundandy にて HIPHOP の曲を丸々和訳。歌詞にあるスラングやニュアンス、隠された意味等の解説もされています。
以下動画では、ShotGunDandy さんがHip Hop翻訳家として活動を始めたきっかけ等についてもお話をされています。
Hip Hopに興味のある方や、Hip Hopカルチャー、英語表現に興味がある方は、ShotGunDandy さんのYouTube 動画をチェックされると良いかも知れません。