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天気や自然災害に関する英語表現 ~気象庁の多言語化の取組~

Jill WellingtonによるPixabayからの画像

日本の気象庁が、多言語化について様々な取り組みを行っている事はご存知でしょうか?秋には台風なども多く発生する他、日本は地震などの自然災害も多い事で知られています。いざと言う時にも役立つ、この気象庁の取り組みについて今回は簡単にご紹介。また異常気象に関する英語表現も少し紹介します。

気象庁における
多言語化に係る取組

2020年9月より、日本の気象庁がWebsiteにて台風他、防災情報を14か国語で発信している事はご存知でしょうか?

現在、日本語の他に 英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、インドネシア語、ベトナム語、タガログ語、タイ語、ネパール語、クメール語、ビルマ語、モンゴル語 にて情報を発信しています。

各言語のWebページに関しては、下記気象庁Websiteページからアクセスする事が可能です。

気象庁サイト
Multilingual Information on Disaster Mitigation

https://www.jma.go.jp/jma/kokusai/multi.html

また以下 多言語サイトにて、表示言語を選択する事も可能です。

画像は気象庁サイトをキャプチャ

気象庁のサイトには、この多言語での情報発信について、以下の説明が掲載されています。

気象庁では、日本に住まれている外国人の方、来られる外国人の方が安心・安全に過ごすことができるように、防災気象情報の多言語化に取り組んでいるところです。昨年の令和元年東日本台風において、自分の分かる言語での各種情報のニーズが高まったことを受けて、台風情報の多言語での提供に向けて準備を進めてきました。今般、諸準備が整ったことから9月16日14時より台風情報を14か国語で提供開始します。

※掲載は2020年/令和2年

https://www.jma.go.jp/jma/press/2009/16c/20200916_multilanguage_typhoon.html

気象・防災
多言語辞書

さらに気象庁は、気象情報等の用語等を多言語に翻訳したリスト「多言語辞書」も提供しています。2022年3月には 多言語Websiteの警戒レベル対応に基づく用語等も更新されています。

辞書はエクセルデータで作成され、日本の各地域名や各国名の他、気象用語及び防災における対応行動や、情報をお知らせする文章等が950以上、河川名や地域名等を含めると7,000以上の言葉が掲載されています。

使用方法等詳細は以下ページにてご確認下さい。

多言語辞書データ(気象庁)
https://www.data.jma.go.jp/developer/multilingual.html

各国の気象庁

日本では気象庁の事を Japan Meteorological Agency と表記しています。アメリカでは気象業務を担当する国家機関は National Weather Service (NWS) 、イギリスの気象庁は Met Office (UKMO) 、オーストラリアは Bureau of Meteorology と呼ばれています。

各国の気象(天気)に関連する表現は、この様な気象業務を担当する機関のWebsiteにてチェックする事も可能です。

また、より一般的な気象(天気)に関連した表現をチェックするには、各国ニュースサイトの天気のページを見る事もおススメします。

異常気象に
関連する英語表現

最近は、地球温暖化などの影響で世界各国で異常気象が続いています。日本だけではなく、様々な国でも熱波による山火事や台風被害などが、頻繁に報じられています。

気象や気候は英語で climate と表現されます。他にも天気を表す言葉としては weather がありますが、違いは何でしょうか。

weather
Cambridge dictionary
the conditions in the air above the earth such as wind, rain, or temperature, especially at a particular time over a particular area:

climate
Cambridge dictionary
the general weather conditions usually found in a particular place:

https://dictionary.cambridge.org/

日本語でもそうですが、weather はある特定の場所の、一定期間の風、雨、温度などの状態を指し、climate は特定の場所で通常みられる気象条件/気候を意味する様です。

天気
コトバンク・デジタル大辞泉「天気」の解説より
ある場所の、ある時刻の気象状態。気温・湿度・風・雲量などを総合した状態。「天気が変わりやすい」「今日は天気がよい」

気象
コトバンク・デジタル大辞泉「気象」の解説より
大気の状態、および雨・風・雪など大気中で起こる諸現象。

気候
コトバンク・デジタル大辞泉「気候」の解説より
ある土地で、1年を周期として繰り返される大気の総合状態。現在は気温・降水量・風などの30年間の平均値を気候値とする。「気候の変化が激しい」「温暖な気候」「気候のよい土地」

https://kotobank.jp/

さて、それを踏まえて「異常気象」とはどの様な英語表現になるのか見てみましょう。

「異常」とは通常とは異なる状態の事を意味しますが、ここでは abnormal unusual ではなく extreme が使われます。またこの場合は climate ではなく weather が使われています。

Extreme Weather
※Extreme Weather Events
USDA Climate Hubs

Extreme events are occurrences of unusually severe weather or climate conditions that can cause devastating impacts on communities and agricultural and natural ecosystems. Weather-related extreme events are often short-lived and include heat waves, freezes, heavy downpours, tornadoes, tropical cyclones and floods.

https://www.climatehubs.usda.gov/content/extreme-weather

異常気象とは、地域や農業・自然生態系に壊滅的な影響を与えるような、非常(異常)に厳しい気象・気候条件のこと。気象に関連する異常現象は短期であることが多く、熱波、凍結、豪雨、竜巻、熱帯低気圧、洪水などが含まれる。(拙訳)

※USDAは U.S Department of Agricultureの略記

つまり、極端な非常(異常)に厳しい天候と言う事を意味します。USDAの文章にもありますが、異常気象が引き起こす現象には以下が上げられます。

  • 熱波 heat wave
  • 凍結 freeze / big freeze
  • 豪雨 heavy downpour / heavy rain
  • 竜巻 tornado / tornadoes
  • 熱帯低気圧 tropical cyclone
  • 水害 / 洪水 flood / flooding
  • 日照り / 干ばつ drought

また、この異常気象に関係する記事や論文では以下の言葉も良く使われます。

  • 気候変動 Climate change
  • 地球温暖化 Global warming

因みに地球温暖化、気候変動を食い止める為に、二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量を減らし、植林などを行う事により、大気中の温室効果ガスの総量を増やさない活動の事を、脱炭素=towards / becoming carbon neutral と言います。

これは最近、様々な企業や政府が取り組んでいる活動で、眼にした事がある方も多いと思います。

参考リンク:脱炭素ポータル(環境省)

日々変わる気象・気候現象により、気象用語や環境に関連する言葉も日々追加されています。

専門家でないかぎり専門用語まで詳しく知る必要はありませんが、災害時などでも使われる場合もありますし、会議での雑談や検討事案などにも取り上げられる場合もあるので、ニュース等で日々チェックしておくのも良いかと思います。

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