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オバマ氏回顧録報道での鳩山氏酷評翻訳は不適切?誤訳?

2020年11月17日にアメリカで出版されたバラク・オバマ前米大統領の回顧録『A Promised Land(約束の地)』。この本における鳩山元首相についての記述が、先日、日本のメディアで報道されました。しかし、その報道の際の和訳が、不適切なのでは?と現在ネット上で話題になっています。

鳩山氏を酷評?
不適切?誤訳?

日本での「オバマ氏回顧録出版」報道における、鳩山元首相についての記述紹介の和訳が不適切ではないかと話題になっています。

NHK・米 オバマ氏回顧録 「硬直化し、迷走した日本政治の象徴だ」

既に幾つかのメディアでは、日本報道における和訳問題の指摘記事も掲載されています。

Yahooでも以下の方々が、今回の報道における和訳の問題点を丁寧に説明しています。

要は、何についての記述だったのか?その文章全体で言いたかったことは何か?が、大事なのですが、それについてはNews Weekでコラム「プリンストン発 日本/アメリカ 新時代」を書かれている冷泉彰彦氏が「【オバマ回顧録】鳩山元首相への手厳しい批判と、天皇皇后両陛下への「お辞儀」の真実」で、説明をしています。

外交表現

冷泉氏のコラム記事にもありますが、政治的影響力ということでは、まだ「現役」であるオバマ氏は、自身の言葉が世界の政治や外交に、依然として影響がある事は重々承知されていると思います。

そんなオバマ氏が、バランスを欠いた批判や、表現をするでしょうか?

言語に関わらず、外交や政治の場では「相手を不快にしない」「当たり障りのない」表現が求められます。

現役大統領 / 政治家ではなく、ご自分の政治的な歩みを書いた回顧録ですから、多少踏み込んだ表現をする事はあると思います。しかし、特定個人の酷評や一方的な批判をオバマ氏はするでしょうか?

政治的な背景を持った発言や文章を訳す場合、その背後にある事柄や目的、状況、前後の流れを無視すると、本来の意図とは異なる訳=不適切な訳になる場合があります。

その様な翻訳 / 通訳が、結果 世界的な問題に発展する事も、恐ろしい事ですが、全く無いわけではありません。鴻巣友季子氏もオバマ氏回顧録についてのコラムにて指摘されています。

約束の地 大統領回顧録Ⅰ

さて、注目を集めるオバマ氏の回顧録「A Promised Land」の日本語版は、来年2021年2月5日に『約束の地 大統領回顧録Ⅰ』と言うタイトルで、上下巻にて、集英社より出版される予定だそうです。

今回注目を集めた箇所の記述も含め、どの様な内容が記されているのか?非常に楽しみですね。

また英語版は既に出版、電子版は基より、書籍も入手可能な様ですから、ご興味のある方は原書で読んでみるのも良いかも知れません。

Amazon https://www.amazon.co.jp/Promised-Land-English-Barack-Obama-ebook/dp/B08GJZFBYV/

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