新型コロナウイルス感染者数が、日本でも再び上昇。残念ながら過去最多の感染者数も記録しました。ミーハングループ・ブログでは、新型コロナウイルスに関連する様々な英語表現等を既にご紹介していますが、今回は小池百合子東京都知事が先日発表した新たな標語「5つの小」を中心に紹介します。
メディアでよく使われる
新型コロナウイルス用語
英語編
以前このブログでもご紹介しましたが、まずは新型コロナウイルス感染者の増加で、よくメディアで使われる言葉の英語表現を、振り返ってみましょう。
感染者数の増加 等
- 新型コロナウイルス感染者
New cases of COVID-19
※前後の文脈で感染者の話である事がわかっている場合は new cases だけでも可 - 新型コロナウイルス感染者数
その日の総数の場合
・Total cases reported today
漠然とした総数ならば
・Cases - 過去最多の新型コロナウイルス感染者数
・A record number (数字) of COVID-19 cases
・New record number of COVID-19 cases
・New record of COVID-19 cases - 陽性率
・Percentage of positive tests
・Percentage of COVID-19 positives - 感染者数の上昇 (増加)
Increase in the number of cases - 第三波
・Third wave
・Third surge
よくある症状
- 最もよくある症状
Most common symptoms - 発熱:fever
- 空咳:dry cough
- 倦怠感:fatigue
- 時折みられる症状
Less common symptoms - 味や匂いの喪失
:loss of taste or smell - 鼻詰まり
:congestion / nasal congestion - 結膜炎
:conjunctivitis / red eye / pink eye - 喉の痛み:sore throat
- 頭痛:headache
- 筋肉や関節の痛み:muscle and joint pain
- さまざまな種類の皮膚の発疹
:different types of rash / skin rash - 吐き気または嘔吐:nausea or vomiting
- 下痢:diarrhea
- 悪寒またはめまい:chills / vertigo
注意が必要な表現
クラスター
日本のメディアで、新型コロナウイルスの集団感染を表現する際に「クラスター(Cluster)」と言う言葉が使われていますが、英語では Cluster = 集団感染ではありません。
Cluster は、そもそも「房(ふさ)」や「群れ」「集団」を表す言葉で、ITでは複数台のコンピュータが相互接続された状態や、状況を「コンピュータ・クラスター(Computer cluster)」、恒星の集団=星団を「スター・クラスター(star cluster)」などと言います。
またニュースなどで耳にした事がある人もいるかも知れませんが、大型の弾体の中に複数の子弾を搭載した爆弾は「クラスター爆弾 (cluster bomb)」呼ばれます。
さらに日本語でも、嗜好の近いユーザーなどをひとつの集団として「クラスタ」と言う場合もあります。(例:アニメ・クラスタ、洋楽クラスタ、原作クラスタ等)
英語で集団感染を表す場合、Cluster を全く使わないとは言いませんが、新型コロナウイルスのクラスターと言う意味で使うとしたら「Clusters of COVID-19 cases」となります。
しかし英語の場合は、例えば7人の感染者が出た場合は「There are 7 cases」と言う事の方が多い様です。集団感染を表す場合は「Outbreak(アウトブレイク)」または「一定地域内での感染拡大」は 「Epidemic(エピデミック)」と表現する事が多いです。
ポジティブ
日本語では「前向きな」や「積極的な」と言った良い意味で使われる事の多い言葉「ポジティブ(Positive)」ですが、新型コロナウイルスに関連して使用する場合には注意が必要です。
ポジティブ(Positive)は、病気の場合「陽性」と言う意味があるからです。そもそも英語での「Positive」には「明らかな」「否定しようがない」「完全な」と言った意味があります。
つまり病気に関連して使われる場合の「Positive」は、明らかに病気にかかっている状況を指す場合が多いのです。逆に病気にかかっていない場合は「Negative=陰性」です。
因みに「Positive=陽性」には Stigma(つまり、烙印、恥など)がつきまといやすいので、研究所での検査の数でもない限り、わざわざ「Positive=陽性」とは英語では書きません。普通の会話でも身体にまつわる事では「Positive」と言う事は余りありません。
病気や身体に関連する場合「Positive」と言う言葉は「ネガティブ=否定的」な印象を相手に与える場合が多いのです。
ですので、新型コロナウイルス、または病気等に関連した話題の場合「Positive」と言う言葉を使う際は、充分気を付けた方が良いでしょう。
5つの小・英語表現
東京都は、新型コロナウイルスについての英語によるレポート動画をYouTubeにて公開しています。2020年11月19日に公開された動画では、新たな標語「5つの小」の説明も収められています。
因みに、動画内にも出てきますが「3つの密を避ける」は「Avoid the Three Cs」と英語で表現されています。
5つの小
The "Five Keeps"
さて、今回の標語「5つの小」は、英語では「Five Keeps」と訳されています。
- 少人数で
Keep groups small - 小一時間
Keep meals short (just under an hour) - 小声で
Keep voices down - 小皿で
Keep portions separate - 小まめに
Keep rooms ventilated and disinfected
そして最後に「こころづかい・医療従事者への感謝を忘れずに」は、「Keep thanking our healthcare workers」となっています。
標語は注意する事、守るべき事を忘れにくくするために、短い言葉で簡単にまとめてあります。小池都知事も動画の中で細かく説明されていましたが、英語版には会食時に守るべき「5つの小=Five Keeps」を、補足説明したバージョンの画像もあります。
これらのメッセージは、日本に住んでいる人や日本に滞在している人、つまり日本の生活や文化を体験したり、理解している海外の人ならば、簡単に理解できるかと思います。
しかし、日本に住んでない人、滞在した事のない人、日本の生活や文化を理解していない人には、少しわかりずらい部分もある気もします。
最初に紹介したメディアで良く使われる言葉や症状などは、現在 世界的に新型コロナウイルスが猛威を振るっているため、どんな言語でも理解できますが、各国が打ち出しているルールやマナー、またそれらを短く簡単にまとめた標語等については、それぞれの国の感染拡大状況や、生活様式、文化が反映されている為、文化や生活を知らない相手には、キチンと説明しないと伝わりづらい部分もあります。
多様性への対応
東京都庁では様々な背景を持つ人々にも伝わる様に、新型コロナウイルスの注意喚起動画を、英語だけではなく「やさしい日本語」及び様々な言語でも発信しています。
新型コロナウイルスに関する知事メッセージ・多言語動画再生リスト
詳しくは東京都庁YouTubeチャンネルにてご確認下さいませ。
https://www.youtube.com/user/tokyo
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