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日本の同時通訳者の草分け 小松達也氏を偲んで

日本の同時通訳者の草分けであり、会議通訳者として50年以上も活躍。さらに通訳者養成の第一人者として後進の育成にも力を注がれた小松達也氏が、2026年8月11日 91歳で御逝去されました。弊社代表の右田アンドリュー・ミーハンも、小松先生の通訳の講義を受けたことがある1人です。今回の記事では、そんな小松先生の思い出や日本における会議通訳者の歩みを知れるイベントのご紹介等をしたいと思います。(LeopicturesによるPixabayからの画像)

日本の同時通訳の
先駆者 小松達也氏

日本の同時通訳者の草分けであり、会議通訳者として50年以上も活躍された小松達也氏が、今年2026年8月11日に91歳で御逝去されました。

【訃報】小松達也氏御逝去のお知らせ(2026/08/18 株式会社サイマル・インターナショナル )

小松達也氏は、1960年より日本生産性本部駐米通訳員を経て、1965年まで米国国務省言語課に勤務。帰国後、日本初の同時通訳エージェントとして発足したサイマル・インターナショナルの設立に携わり、1987年より社長、1998年から2017年3月まで顧問を務められました。

またG8サミット、APEC、日米財界人会議など数多くの国際会議で活躍。2008年から2015年まで国際教養大学専門職大学院教授を務められました。

1980年にはサイマル・アカデミーを設立、以来30年以上にわたり通訳者養成の第一人者として教鞭をとり、後進の育成にも力を注がれた方です。

小松達也 ロング・インタビュー<前編>:プロとして学び、働き、生きていく(2020-04-03 サイマル・インターナショナルが運営するWebマガジン 通訳・翻訳ブック)


サイマル・アカデミー
通訳者養成コース

弊社代表の右田アンドリュー・ミーハンは、英日/日英の翻訳 及び 通訳者としての活動をアメリカ・ニューヨークで1994年から始めましたが、2004年秋に帰国した後、サイマル・アカデミー 通訳者養成コース 同時通訳科の講義を、2005年10月~2006年9月まで受講。その課程を修了しています。

小松達也先生には、サイマル・アカデミー 通訳者養成コースの講義にて教わりました。

私は日英/英日通訳・翻訳者として1994年にアメリカ・ニューヨークにて活動をスタート。1999年にはサイマル・インターナショナルにも通訳者として登録。ニューヨークを拠点にしていた時、及び日本に戻ってきてから、サイマルさんからお仕事の依頼を頂くことは多々ありました。

私は2004年に日本に戻ったのですが、その時点で通訳・翻訳者として約10年のキャリアがありましたが、勉強をし直す必要性を感じ、サイマル・アカデミー の同時通訳科の授業を1年間受講しました。

私が受講した2005~2006年の時は、1クラス12人くらいだったでしょうか。講義の初日は15人位 いたかもしれません。

当時、平日火曜日と木曜日の夜7時~9時に講座は行われていましたが、講義を受ける方のほとんどが企業にお勤めの方だった為、皆さんお忙しかったのか、2回目以降~最終回までは、講義に参加したのは平均8人くらいだった記憶があります。

小松先生は、ご自身もお忙しいはずなのに講座を受けている私達に、親身になって詳細なフィードバックをしてくれたのを覚えています。当時のクラスでは英/日 両言語ネイティブは私だけでしたので、そんな事もあって顔を覚えて頂いた様で、声もよくかけて頂きました。

長年に渡り日本の通訳者としてご活躍、また通訳者育成にも多大なる貢献をされた小松先生。ご生前のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。

右田アンドリュー・ミーハン

国際通貨基金(IMF)・
世界銀行年次総会にて同時通訳

弊社代表であり、現役 通訳・翻訳者として活動する右田アンドリュー・ミーハンは、2026年10月12日から18日まで タイ・バンコクで行われた 国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会 / The 2026 Annual Meetings of the International Monetary Fund and the World Bank Group 及び、10月15日 同総会内で開催された 第114回 世銀・IMF合同開発委員会 / The 114th WB/IMF Development Committee にて、英日/日英 同時通訳を担当致しました。

同時通訳の歴史

日本における初めての同時通訳は、一般的に、1950年(昭和25年)に行われたMRA (Moral Re-Armament)世界大会で、西山千氏と相馬雪香氏によって行われたとされています。

一方で、1946年(昭和21年)3月に東京外事専門学校の大谷敏治教授らが、専用の受話器やマイク装置を使用して実施した記録も残されているとのこと。

昭和21年3月の同時通訳 水野 的 / JAITS

1969年7月20日 アポロ月面着陸をNHKがテレビ中継をしたさいに、同時通訳を西山千氏が担当。これによりお茶の間にも「同時通訳」または通訳者と言う存在が知られる様になったと言われています。

アポロ月面着陸と同時通訳【小松達也アーカイブス 第2章】(2020-10-02 サイマル・インターナショナルが運営するWebマガジン 通訳・翻訳ブック)

世界では、1945年11月20日から始まった、第二次世界大戦においてドイツによって行われた戦争犯罪を裁く国際軍事裁判「ニュルンベルク裁判」が、公式に同時通訳が採用された場であるとされています。

国際会議における通訳者の権利保護や地位向上を目指す綜合専門職能団体として、1953年に設立されたAIIC / 国際会議通訳者連盟は、このニュルンベルグ裁判での同時通訳が始まりとなっています。

AIIC
国際会議通訳者連盟

国際会議における通訳者の権利保護や地位向上を目指す綜合専門職能団体として、1953年に設立したAIIC(アイイク)。

日本語では 国際会議通訳者連盟 と訳される事が多い AIICは、フランス語の L'Association Internationale des Interprètes de Conférence (英:International Association of Conference Interpreters) の頭文字をとった略称になります。

日本ではまだ馴染みが薄い組織ですが、本部事務局はスイス・ジュネーブにあり、世界100ヶ国以上、約3,000名の会員が登録。

国際連合(国連)や世界銀行、国際オリンピック委員会(IOC)などの国際団体、主要国首脳会議(G7 /G20)等と提携、これらの機関や組織で働く通訳者の多くがAIICの会員です。

日本語(英/日・仏/日・独/日 伊/日)の通訳者は2026年10月時点で21名、そのうち日本在住の会員は7名となっており、弊社代表の 右田アンドリュー・ミーハン (英/日通訳)も、日本在住AIIC会員の1人になります。

Website
https://aiic.org/

日本通訳翻訳学会
関東支部第78回例会

2026年10月31日 オンラインで開催される日本通訳翻訳学会 関東支部 第78回例会では、「戦後日本における専門職としての会議通訳:第一人者が紐解くその歴史と変容」と題し、国際会議通訳の第一人者である大井孝氏(国際政治学者・会議通訳者)による対談形式の講演が開催されます。

日本通訳翻訳学会 / JAITS
https://jaits.jp/

講演者
大井孝氏

元米国務省言語サービス課嘱託通訳、英仏語会議通訳者。東京学芸大学名誉教授。

一般社団法人日米協会理事、元フルブライト給費留学生選考委員、現仏政府給費留学生選考委員、公益財団日仏会館諮問委員。公益財団大学セミナーハウス評議員、元国際教育振興会理事長・日米会話学院学院長、現同顧問、等

講演内容

日本通訳翻訳学会関東支部第78回例会(大井孝氏講演)のご案内 より

戦後も80年を過ぎ、現在大学等で通訳訓練や理論の授業を担当したり、通訳の実務に携わったりしている本学会会員の中でも、戦後の日本における会議通訳という専門職を確立してきた巨匠の先生方に直接師事する、という恵まれた経験を持つ会員は年々減少しており、多くは『よくわかる翻訳通訳学』(鳥飼久美子・編, ミネルヴァ書房, 2013)のような書籍からかろうじて「伝聞」の形で学ぶのみとなってきている。同書に登場する西山千氏、國弘正雄氏、村松増美氏は共に故人となられて久しく、小松達也氏も今年8月に御逝去されている。

そのような中、上記先駆者の先生方と同期同世代の通訳者として日本における会議通訳の黎明期を築かれ、またその後今日に至るまで通訳教育のみならず多くの関連専門分野で多大なるご功績を挙げてこられ、卒寿を迎えられた現在もなお大変お元気に御教鞭をとられていらっしゃる大井孝先生をお招きし、戦後の日本において通訳という専門職が確立されてきた時代を直接その身に刻んでこられた大先輩からの貴重な「直伝」を、関東支部長(田村智子)との対談形式で、主に以下のような内容に触れながらお聞きする。

  1. 大井先生御自身のプロの通訳者としての仕事に至るまでの経緯やお話
    米国フルブライト留学に至るまでの経緯や語学の勉強、米国国務省通訳時代、帰国後のサイマル・インターナショナルでの通訳の仕事、アラン・ドロン、その他著名人の通訳業務、仏政府給付生としてのパリ大学での博士号留学に至る経緯や仏語の勉強、帰国後の日本での通訳の仕事や東京学芸大学教授としての教鞭、そして日米会話学院同時通訳科の設立に至った経緯、等
  2. 日米会話学院同時通訳科(1966年設立のアイ・エス・エス通訳研修センターに次いで、1967年に日本で2番目に開講)の設立と、通訳技能研修に長年携わってきた御経験に基づくお話
    当時の国内外の情勢やニーズと民間訓練校での通訳者養成への需要、日米会話学院同時通訳科の設立と運営、入学試験、卒業試験、等、初期(黎明期)の研修生とその後の研修生においての変化や変容、教え子達の活躍、等

開催概要

「戦後日本における専門職としての会議通訳:第一人者が紐解くその歴史と変容」

  • 開催日
    2026年10月31日(土)
  • 時間
    13:30 ~ 14:40(途中10分程度の休憩を挟む)
  • 実施形式
    オンライン(Zoom)
  • 講演言語
    日本語
  • 参加費
    無料(要申込)
  • 申込締切日
    2026年10月25日
  • 申込・詳細
    https://jaits.jp/news/news20261013/

詳しくは 日本通訳翻訳学会 Website または上記ページにてご確認下さいませ。

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