日本の抹茶が海外でも大人気なことは、皆さんご承知のことと思います。今回の記事では、その「抹茶」も含め、日本発&海外でも知られているけれど、日本と海外では認識が異なる「お茶」についてや、最近の「日本茶」事情について、少しご紹介したいと思います。(Kevin böllingによるPixabayからの画像)
昆布茶
Kombucha
先ず最初にご紹介したいのが「コンブチャ」です。
日本の認識では「昆布茶(コンブ茶 または コブ茶)」は、乾燥させた昆布を細かく刻んだり、粉末状にしたものに、お湯をそそいで飲むお茶だと思います。
パスタやお漬物等、お料理の調味料としても使ったりする事でも知られていますし、昆布と相性の良い梅味の昆布茶などもあります。
玉露園Website
https://www.gyokuroen.co.jp/index.html
ところが、海外で Kombucha と呼ばれるお茶は、この日本の昆布茶とは全く別物になります。
ですので、日本の昆布茶は Kombucha との混同を避ける為、海外では昆布を意味する英語 Kelp を使って Kelp Tea / Japanese Kelp Tea 等とよばれる事が一般的です。
from Cambridge dictionary
kelp noun
a type of large, brown algae (= organisms similar to plants)that grow in the ocean and are used in some foods and medicines:
Kombucha
では、海外で Kombucha と呼ばれるお茶は、どんなお茶なのでしょう?
海外の Kombucha と 昆布茶(記事上は Konbucha と表記されています)の違いを紹介する記事には、以下の様な説明が掲載されています。
Kombucha vs Konbucha: What’s The Difference? / Japanese Taste
When you hear “kombucha” what’s the first thing that comes to mind? That bubbly, fermented sweet and sour tea drink? What if we told you that in Japan, there’s a beverage that goes by the same name but is completely different?If you ask a Japanese person about kombucha, the fermented bubbly health beverage you’re familiar with might not be the drink that pops up in their mind. Yes, there is a similar-sounding drink in Japan called konbucha, but, as its name suggests, the base of the drink is kombu (kelp seaweed). In fact, the word konbu (often spelled as kombu in English) directly translates to kelp tea, as konbu = kelp and cha = tea.
https://japanesetaste.com.au/blogs/japanese-taste-blog/kombucha-vs-konbucha-what-s-the-difference
本記事では、冒頭にて Kombucha のことを 【That bubbly, fermented sweet and sour tea drink? / あの発泡性のある発酵した甘酸っぱいお茶の飲み物でしょうか?】 と書いています。
シュワシュワして甘い発酵した昆布茶...?ちょっと想像がつきませんよね。
実は海外で Kombucha と呼ばれるお茶 / 飲み物は、日本では「紅茶キノコ」と呼ばれる、昆布とは全く関係がない発酵飲料のことなのです。
「コンブチャ」って一体なに? 別名「紅茶キノコ」で知られる、発酵飲料(みんなの発酵BLEND presented by カルピス)
「コンブチャ」とは、「紅茶キノコ」という名称でも知られる発酵飲料です。日本で飲まれている「昆布茶」とはまったくの別物で、紅茶や緑茶、ウーロン茶などのお茶を原料に発酵させたもの。諸説ありますが、数千年以上前に中国北部や東モンゴルで発祥したという伝統的な飲み物です。日本では1970年代に紅茶キノコとしてブームになりました。
原料にキノコが入っている訳ではないのに、なぜキノコ? と疑問に思うかもしれませんが、つくり方にその理由がありました。コンブチャ(紅茶キノコ)は、原料の紅茶(お茶)に砂糖を加えたものをベースに、「スコービー(scoby)」と呼ばれる酢酸菌と酵母からなる菌株(1つの細菌から分裂増殖した菌の集まり)を入れて発酵させてつくります。
その菌株がゲル状の塊でキノコに見えることから「紅茶キノコ」と呼ばれるようになったという説や、ロシアで「ロシアンティー・マッシュルーム」と呼ばれていたことから、日本語に訳された際に「紅茶キノコ」となったという説があるようです。
そして、この紅茶キノコが欧米に持ち込まれた際に、なぜか「コンブチャ」と呼ばれるように。今度はスコービーが昆布に見えたために「コンブチャ」となったという話や、酵母茶が訛って「コンブチャ」となったという話などさまざまあり、こちらも真相は明らかになっていません。
昆布茶 / Kombucha
エピソード
海外での会議等で、日本サイドに気を使って、先方が飲み物として Kombucha を用意・出してくれる時があります。
正直「お気持ちはありがたいのですが、これは日本の昆布茶とは全く別物...」と言った感じですが、それを面と向かって、これから会議・交渉をする相手に言うわけにもいきません。
アメリカ・ニューヨークの会議で出された Kombucha は、めちゃくちゃ甘くて、日本サイドは全員 目を白黒させていました。
それでも「相手が気を使ってくれたんだから...」と、私も含め、クチにあわずとも顔には出さず黙ってチビチビ Kombucha を飲む振る舞いは、非常に日本人らしいと思わずには居られませんでした(苦笑)。右田アンドリュー・ミーハン
抹茶 / Matcha
日本の茶道とは、切っても切り離せない関係の抹茶。
抹茶のできるまで(茶道・裏千家Website)
それがいつの間にか、ケーキやアイス等のお菓子に使われたり、牛乳や砂糖とあわせてカジュアルに、生活の中でも楽しめる様になりました。
そして現在、抹茶はMatcha として、世界中で大人気になっています。
以下記事でも紹介されていますが、コーヒーに代わる健康的な飲み物としての認知、ソーシャルメディアで映える見た目(抹茶グリーン)、スターバックスの様な一般的なカフェでも気軽に楽しめる環境、更には飲料としてだけではなくお菓子等にも使用でき、美味しく食べられる上に、本物の日本を感じられる商品である等が、大人気となった主な理由の様です。
- 抹茶がアメリカでバズってる5つの理由 〜 北米560億円市場の波に乗るための実践ガイド 〜(5月 22, 2025 デザイン会社 btrax Brandon K. Hill)
- 世界各国の「抹茶バブル」で輸出額倍増 その背景と日本国内への影響は(2026年2/22 Yahoo News エキスパートトピ フードジャーナリスト 山路力也)
抹茶程の急激な人気ではありませんが、いわゆる緑茶(煎茶)の海外市場も拡大している様です。
お茶の飲料メーカーとして知られる 伊藤園 は、1987年 米国・ハワイと中国・福建省に進出。以降、オセアニアや東南アジアなど、幅広く海外進出を続けているとのこと。
現在「お~いお茶」は、世界40カ国以上で販売されているそうです。
- ITOENの中期ビジョン(海外展開)
https://www.itoen.co.jp/company/jobs/special/global/ - 大谷翔平 × おーいお茶 スペシャルサイト
https://www.itoen.jp/oiocha/ohtani/
お茶 エピソード
現在、抹茶は世界的にも大人気ですが、勘違いをしている海外の方も多く、日本のお鮨屋さん等で「抹茶、抹茶!」と叫ぶ外国人等をたまに見かけたりもします。
皆さんもご存知の通り、お鮨屋さんで提供されるのは、一般的には煎茶なんですけどね(食後の場合はほうじ茶もありますが)。まぁ、いちいち間違いを指摘するのは、場の空気を壊しますし、無粋なので言いませんが。
ヨーロッパやアメリカ等に出張に行ったり、日本企業に通訳として同行・参加した海外の会議や商談等でも、気を使って、ペットボトル入りのお茶が提供されることも最近では増えましたが、お砂糖入りの緑茶(煎茶)が出される場合もあるので、気をつけないといけません。
まぁ、仮にお砂糖入りのお茶だったとしても、黙ってチビチビ飲みますが(苦笑)。
その点、伊藤園さんの「おーいお茶」は、アメリカでも日本と同じ味なので、安心して飲めますし、近年では手軽に海外のスーパー等でも手に入るので有難いです。
右田アンドリュー・ミーハン





