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To be or not to be, that is the question の訳について

有名なシェイクスピアの戯曲「ハムレット」のセリフ "To be or not to be, that is the question" 。日本語では「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」と言った訳が知られていますが、この訳には実は様々なバージョンが存在します。今回は、そんな翻訳にまつわる興味深いエピソードをいくつかご紹介します。

生きるべきか、死ぬべきか、
それが問題だ

冒頭でも触れた、有名なシェイクスピアの戯曲「ハムレット」のセリフ To be or not to be, that is the question.

日本語では「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」の訳が知られてしますが、実は様々なバリエーションがあります。

詳しくは、脚本家・映画監督 池田眞也 氏のサイトにある「シェイクスピア勉強会」に、解説記事がありましたので、以下リンクを参照下さいませ。

「生きるべきか死ぬべきか」〜言葉遊びと翻訳家の戦い 構成について〜

戯曲のセリフですから、言葉の前後や、ストーリー展開を理解した上で、いかにドラマティックにするか?、どんな演出なのかを考えて、この様に様々な方が様々な訳を生み出しています。

ところで、この様な様々な訳が出来る裏側には、実は著作権も関連している事は、ご存知でしょうか?

翻訳には
著作権がある

小説や戯曲、または歌の歌詞などの翻訳版には様々なバージョンがありますが、この「訳」はそれぞれ翻訳者が、原文を読んで考え、訳した著作物になります。

ですので、それぞれの「訳」は、訳した翻訳者が著作権を持ちます。翻訳の場合、原作及び原作者は別に居ますから、翻訳者はそれを利用した「二次的著作物」の著作者と言うことになります。

参考リンク http://colabora.jp/faq/faq18.html
Copyright Laboratory「COLABORA

海外の作品を日本語で翻訳するには、原則として翻訳権を取得する必要があります。

出版社が翻訳権を含む出版権を持つものに関しては、原作者の許諾を翻訳者が交渉して得る必要はありません。翻訳者は翻訳/出版権を持つ出版社から依頼された作品を翻訳します。

※出版社が翻訳/出版権を持っている作品で、原作者と出版社が翻訳して出版する事を交渉、許諾を得るさいに、原作者から翻訳者を指定される場合もあります。

出版社が出版権を持たない出版物を翻訳したい場合は、翻訳者が原作者と交渉して翻訳を許諾してもらう必要があります。

または、先に出版社にその翻訳したい本を持ち込み、その出版社に翻訳を含む出版権を獲得してもらってから、訳す場合もあります。

冒頭に書きましたが、楽曲の歌詞も同様の扱いになります。

翻訳権は
実は小説等に限らない

先程、小説や戯曲、歌詞の翻訳には著作権が発生すると書きましたが、実はこれはWebsiteなどでも、著作物であると判断される場合もあります。

その為、Websiteには All rights reservedと表記されている事が多いです。正式な表記は 【© 年号、組織・会社名、all rights reserved】になります。

例:© 2022 Meehan Group. All rights reserved.

また、企業の書類やマニュアル等も著作物の対象になる場合があります。その場合、翻訳会社を通じて依頼された翻訳の翻訳著作権は誰が持つのか?は、翻訳会社と翻訳者との契約によります。

通訳者が通訳した「訳」も、実は著作物の対象となります。例えば、イベント等で通訳をした場合、その様子を録画して販売したり、ネット上で公開する場合、二次使用料が発生する場合もあります。

これらについては、「訳」したものをどの様に使用し、その場合の翻訳著作権は誰が持つのか契約にて規定されている場合が多いので、通訳/翻訳者は確認が必要です。(※契約にて規定されていない場合も、確認が必要がです。)

また、通訳/翻訳を依頼する場合は「翻訳した」ものをどの様に扱うか、注意が必要になります。

機械翻訳

機械翻訳には創作性がないため、その結果には著作権の保護を受ける権利が与えられないと一般的に考えられています。しかし、今後どのような扱いになるかは、テクノロジーの進化によって異なると思います。

参考:著作権審議会第9小委員会(コンピュータ創作物関係)報告書

良く知られた映画や
ドラマのセリフ

"To be or not to be, that is the question" もそうですが、良く知られた映画やドラマのセリフや、言い回しが会話に出てくることは良くあります。

しかし文化や常識、情報が共有されていないと、その「セリフ」や「言い回し」は理解されません。これは何も他の国の言語だけで発生する問題ではありません。

例えば日本でも、住んでいる地域が異なると分からない言い回しはありますし、若者言葉も同様です。世代によって共有されている文化や常識は違いますから。

また「仲間言葉」これも「仲間」では無いと分からない「言い回し」や「セリフ」が多々あります。「業界言葉」も同様でしょう。

つまり、たとえ同じ言語を話していても、文化や常識、背景情報が共有されていないと、意外と意味が分からない場合もあるのです。

Hasta la vista, baby は、アーノルド・シュワルツェネッガー主演映画『ターミネーター2』の、世界中が知ってる名台詞ですから、笑いが起きたんですね。こう言うのもヒトツの言葉選びのセンスと言えると思います。

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