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機械翻訳について / Machine Translation

昨今のテクノロジーの進化の速さは凄まじく、ここ数年でAI等を使った機械翻訳 / Machine Translation の品質の向上にも目を見張るものがあります。今回の記事では、今までご紹介してきた機械翻訳等に関連する記事を振り返りつつ、現状及びこれからの通訳・翻訳業界について、少し考えてみたいと思います。Gerd AltmannによるPixabayからの画像)

機械翻訳の品質の向上

先日9月30日は International Translation Day / 国際翻訳デーでした。

4世紀に聖書をラテン語に訳したヒエロニムス(Hieronymus)の命日に因み、International Federation of Translators / 国際翻訳家連盟によって「世界翻訳の日」として制定され、2017年には国連にて公式に認定されている日になります。

さて、この記事の冒頭にも書きましたが、ここ数年でAI等を使った機械翻訳 / Machine Translation の品質の向上にも目を見張るものがあります。

9月30日 International Translation Day / 国際翻訳デー には、SNSで「翻訳のこれから」や「機械翻訳」についての投稿が注目を集めていましたし、AIの進化に伴い無くなる仕事の1つに「通訳」や「翻訳」が上げられる事も少なくありません。

しかし...果たして、本当にそうでしょうか?

あくまで弊社ミーハングループの状況、及びお仕事等をご一緒させて頂いている通訳者・翻訳者の皆様に聞いた話にはなりますが、ここ数年、仕事が減った、または仕事が無くなったと言う方よりも、仕事が増えた、繁忙期は通訳者・翻訳者の人手が足りていない...と言う声の方を良く聞く気がしますし、そう言った状況も実感しています。

もちろん、仕事のやり方については機械翻訳が無かった頃と現在では変化している部分も多々あります。しかし、仕事が減ったや機械翻訳に仕事を100%奪われた...と言う話は、余り聞きません。

通訳翻訳ジャーナル2025年SPRING号では、「通訳・翻訳業界 最新マーケット動向2025」と言う記事を紹介しており、一部内容をWebsiteでも公開しています。

通訳翻訳ジャーナルWebsite
通訳の仕事は増えた? 減った? 需要分析と予測【2024-2025】―通訳編 より

2024年の通訳受注量は2023年に比べて「増えた」が60%、「同じくらい」が30%、「減った」が10%という結果となった(グラフ1)

コロナ禍で2020年は一時的に通訳需要が落ち込んだが、2021年以降は回復し、右肩上がりが続いている。ただし、2023年度は「減った」の回答はなく、「同じくらい」も17%だったため、2024年は2023年に比べて、伸びは緩やかになっているようだ。

また、受注が「増えた」と回答した会社に、金額と件数の状況をたずねたところ、「件数増・金額増」が9社と最も多かった。受注増加の要因については、「インバウンド需要」と「新規顧客の増加」が多く挙がっている。 

https://tsuhon.jp/professional/career/trend2

MT / PE

機械翻訳について調べると MT / PE と言う言葉がよく出てきます。

MTとは Machine Translation =機械翻訳の略語、PEPost Edit / ポストエディットの略語になります。

ポストエディットとは、機械・自動翻訳を使って訳された文章をチェックし、適切に訳されていない場合は修正・後編集する業務の事を意味します。

機械翻訳についての記事

本ブログでは過去に何回か、機械翻訳やAIを使った翻訳、自動翻訳等についての記事を掲載してきました。

これらの記事にも書いた事ですが、AI等を使った機械翻訳の進化は確かに目覚ましいものがありますが、言語を介した人と人とのコミュニケーションと言うのは、パターン化出来るほど、単純なものばかりではありません。

通訳や翻訳と言うのは「Aと言う言語をBと言う言語に置き換える」だけではなく、その言葉の背後にある常識や文化、歴史、または場の空気や言葉を発した人の意図などを汲み取り、訳さなければコミュニケーションが成り立たない場面も多々あるのです。

それが、テクノロジーの発展にも関わらず、通訳・翻訳市場が縮小していない大きな理由の1つと言えるのではないでしょうか。

機械翻訳との共存

先ほども書きましたが、機械翻訳の出現及び発展により、通訳や翻訳の仕事のやり方は大きく変わりました。

ポストエディット等と言った業務も、その変化の1つと言えるでしょう。

これからは、他の業界も同様と言えると思いますが、通訳も翻訳もテクノロジー=機械翻訳と競ったり、敵対するのではなく、共存していくのが大事と言えるかと思います。

本ブログでも機械翻訳やAI、自動翻訳についての情報を、これまでもご紹介してはきましたが、今後はより一層、テクノロジーとの共存を意識した、記事や情報等をご紹介していく予定です。

もちろん今までと変わらず、英語を始めとした他言語を学ぶ方々に少しでもお役に立つ情報や、言語にまつわる興味深い情報も、ミーハングループはブログを通じてお届けしていきます。

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