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話す英語でわかること ~報道から学ぶ英語表現~

天皇皇后両陛下による英国訪問が、2024年6月22日~29日まで行われました。英国王室から、異例とも言える歓待を受けた両陛下の様子が、様々なメディアによって報道されたので、ご存知の方も多いと思います。今回のブログでは、この英国訪問での報道や英国総選挙の報道などを基に、英国英語の話し方や発音からわかる事について簡単にご紹介。また国際(外交)儀礼についてもご紹介します。sameladuarteによるPixabayからの画像)

天皇皇后両陛下
英国訪問

天皇皇后両陛下による国際親善のための英国訪問が、2024年6月22日~29日まで行われました。

様々なメディアにて訪英の様子が報じられたので、ご存知の方も多いと思います。

特に驚いたのは、チャールズ国王が日本語や、ハローキティ、ポケモンの話題も交えてスピーチをされた事です。

もちろん英国におけるユーモアは、相手をもてなす場でも大切ですが、それにしても形式ばった言葉ではなく、天皇皇后両陛下に対する親愛の情が強く感じられる素晴らしいスピーチでした。

また天皇陛下も英語にて、英国留学時代の思い出や、日系英国人でノーベル文学賞受賞者の作家カズオ・イシグロ氏、及び長きにわたる英国と日本との繋がりを感じさせる話題を盛込んだお言葉を返されました。

天皇皇后両陛下は流暢に英語をお話になられるので、今回の英国訪問では随行通訳者の姿がメディアのカメラに映る事はありませんでした。

上品な英語
Posh English

英語を勉強されている方であればご存知とは思いますが、英国では社会的地位や育ちによって話す言葉のアクセント / 発音が異なる場合があります。

王室の方々は一般的には Received Pronunciation, RP と呼ばれるアクセント / 発音 にてお話をされます。

RP は、分かりやすく言うと、英国 BBC 放送のアナウンサーのアクセント / 発音 です。

from Cambridge dictionary

Received Pronunciation noun

the standard way in which middle-class speakers of southern British English pronounce words

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/received-pronunciation

この RP による話し方については、Posh English / 上品な英語 等と言う場合もあります。

Posh English は、アクセントや発音もありますが、言葉遣いや表現、話の構成なども含めて指す場合が多く、シンプルで直接的な表現の英語よりも婉曲的で分かりずらい場合もあります。

Posh English は、Royal EnglishUpper Class English などに細かく分ける事も出来ますが、大枠として、英国の場合、上流階級や貴族、王族が話す上品な英語をまとめて Posh English と言うことも出来ます。

高貴な方の英語表現や、役割や地位で異なる英語表現については以下記事でもご紹介しているので併せて読んで頂ければ幸いです。

英国総選挙 2024

2024年7月4日 英国総選挙の投票が行われました。

保守党党首のリシ・スーナク首相 / Prime Minister Rishi Sunak が話す英語は Received Pronunciation, RP / Posh English ですが、労働党党首であるキア・スターマー / Sir Keir Rodney Starmer の話す英語は RP ではありません。

彼らの育ちや社会的立場が、話す英語でわかるのは非常に英国的ではないでしょうか。

プロトコール
国際儀礼

天皇皇后両陛下の英国訪問では、服装などのプロトコール / 国際儀礼 についても注目が集まりました。

from Cambridge dictionary

protocol noun
the system of rules and acceptable behaviour used at official ceremonies and occasions:

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/protocol

外務省 Websiteより

プロトコールとは国家間の儀礼上のルールであり,外交を推進するための潤滑油。また,国際的・公式な場で主催者側が示すルールを指すこともある。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/po/page25_001892.html

この外務省 Websiteにあるプロトコールの紹介ページでは、服装の規定も紹介されている他、習慣・風習・儀礼、贈り物、テーブルマナー、呼称等、よくある質問についてもまとめられています。

プロトコールの基本
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/po/page25_001892.html
プロトコールでよくあるご質問
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/po/page25_001893.html

通訳者でも、外交の場で通訳をする場合は インターナショナル・プロトコールを理解している事が求められます。

右田アンドリュー・ミーハンは、北京、ロンドン、ソチオリンピックにて国際オリンピック委員会(IOC)のチーフインタープリター・メンバーとして日英/英日通訳を務めましたが、その前にアジア競技大会でも通訳を務めており、その際にプロトコール部門の通訳も行った事から、徹底的に国際儀礼=プロトコールを学ばされたとのこと。

ロンドン・オリンピックのオープニング・セレモニーでプロトコール・マネージャーを務めた Andrea Miliccia (アンドレア・ミリッチャ)氏は、プロトコール・スクールなども開いています。

第33回オリンピック競技大会はフランス・パリを中心に、2024年7月26日から8月11日まで開催されます。

オリンピックはもちろん、国際会議などでも「プロトコール」の知識は求められますので、通訳者に限らず、国際外交の場での活躍を希望している方は、「プロトコール」についても学んでおくことは大事です。

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