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熱中症に関連した英語表現

新型コロナウイルス感染拡大に対する規制が無くなり、海外から多数の観光客が日本に再び訪れる様になりました。そこで今回は「こまめに水分補給」を英語でどう表現するか?等「イザ」と言う時に、海外のお客様にも伝えられる様に「熱中症」に関連した英語表現を幾つかご紹介します。1195798によるPixabayからの画像)

英国近衛兵も倒れる暑さ

2023年6月10日 イギリス・ロンドンで行われたチャールズ英国王の誕生日を祝うパレードのリハーサル中、3人の近衛兵が倒れるハプニングがありました。

この日の気温は摂氏約31度。 UK Health Security Agency(イギリス健康安全保障局)が hot weather alert を出していたとの事。

Reuters の 動画には At least three British royal guards collapsed in the heat during a rehearsal for the King's birthday parade. と書かれています。

collapsed in the heat は「暑さで倒れた」と訳せます。またBBCの記事では以下の様に書かれていました。

Hottest day so far this year as UK temperatures hit 30C
BBC News 2023/6/11

A number of troops appeared to faint in the hot weather during the Colonel's Review at Horse Guards Parade, ahead of King Charles III's birthday celebrations next Saturday.

https://www.bbc.com/news/uk-65866894

appeared to faint in the hot weather は「暑さの中、気を失ったように見えた」と訳せます。

それぞれの記事では病名をハッキリとは書いていませんが、恐らく熱中症なのではないでしょうか? 大事が無いと良いのですが...

因みに、当日の気温については Reuters の記事では reaching past 88 degrees Fahrenheit BBCの記事 には temperatures hit 30.4°C との記載がありました。

degrees は「度数」を意味し、Fahrenheit は華氏、日本で使われる C = Celsius は摂氏を意味します。

つまり「日本では、夏に気温が35度を上まわる日もある」と言いたい場合は、In Japan, temperatures can rise above 35 degrees Celsius in summer. と、摂氏である事を伝えないと誤解を招く場合もあります。

参考リンク:摂氏・華氏の違い、ちゃんと説明できますか? (tenki.jp)

熱中症を英語で

先程紹介した イギリス健康安全保障局 による hot weather alert と同様に、日本では気象庁が「熱中症警戒アラート」を夏になると出しています。

皆さんもテレビなどで目にした事があるのではないでしょうか。

気象庁は この「熱中症警戒アラート」を、英語では Heat Stroke Alerts と表記しています。

Heat Illness Risk Information
(Japan Meteorological Agency / 気象庁)

Heat Stroke Alert helps to raise awareness of heat and promote measures against heat illness among the public. They are issued daily at 5 a.m. and 5 p.m. based on WBGT index forecasts.

https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/kouon/heat_illness.html

気象庁では、熱中症のことは Heat Stroke または heat illness と表記しています。

また環境省では 熱中症予防情報を英語でも公開しています。

Heat illness prevention information
(Ministry of the Environment / 環境省)
https://www.wbgt.env.go.jp/en/doc_prevention.php

これ以外にも(暑さによる)脱水症状を表す言葉として dehydration が使われる場合もあります。

英語で表現
「こまめに水分補給」

環境省の熱中症予防情報 Heat illness prevention information には、以下の様な注意事項がイラスト共に紹介されています。

  • Wear light/cool clothes
  • Stay in the shadow and out of the Sun
  • Use a parasol and/or wear hat
  • Intake plenty of water includes sodium
https://www.wbgt.env.go.jp/en/doc_prevention.php

water includes sodium はナトリウム入りの水のこと。いわゆる「経口補水薬(液)」または「スポーツドリンク」的な飲み物と言えば良いでしょうか。

因みに、体から失われた水分やミネラルを効率良く補給することを目的とした「スポーツドリンク」は、英語では isotonic drink と表現します。

また 「水」ではなく「水分」と言いたい場合は fluid を使うと良いでしょう。

アメリカの病院などで脱水症状を防ぐために良く使われる表現は

Drink plenty of fluids during outdoor activities, especially on hot days

つまり「外で活動する場合、特に暑い日は 水分を十二分に取ること」です。

from Cambridge dictionary
plenty : pronoun, noun, adverb
(the state of having) enough or more than enough, or a large amount

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/plenty

日本では、熱中症対策の場合「こまめに水分を取る事」と言われる事が多いですが、英語では plenty を使い Drink plenty of fluids =「十二分に水分を取ること」と言うのが一般的です。

※十二分= 程度を超えて多いこと。十分すぎるほどたっぷりであること。(精選版 日本国語大辞典 / コトバンクより)

「こまめに」には「繰り返し」や「頻繁に」と言う意味が込められていますが、熱中症対策では「十分に」水分を取り、脱水状態 dehydration にならないのが大事なポイントです。

環境省の熱中症予防情報にも Intake plenty of water includes sodium とありますし、「こまめに」と言う日本語に捉われず、相手に伝わりやすい表現 例えば Drink plenty of fluids/water 等と言うのが良いのではないでしょうか。

因みに、日本では夏に冷えた麦茶を飲むことが多いですが、麦茶にはミネラルが多く含まれているので熱中症対策にも効果的とのこと。

参考サイト: 熱中症対策にも!夏の定番「麦茶」は、熱さ対策に優れた飲料水だった!(tenki.jp)

麦茶は英語では Barley tea(または roasted barley tea)と言います。

Iced barley tea is popular in summer in Japan. と言って、海外からの方々に薦めるのも良いかも知れませんね。

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