新型コロナウイルスの世界的拡大は、まだまだ終息しそうにありません。マスメディア等でも、連日新型コロナウイルス関連のニュースは大きく取り上げられています。その様な状況下で、今までは日常会話では余り耳にしたり、目にしたりしなかった言葉が、頻繁に使われる様になりました。
3つの密を避ける
新型コロナウイルス感染拡大防止の為に、海外でよく使われる言葉に Social Distancing があります。
これ最近都内で見かけた張り紙ですが、日本語では新型コロナウイルスの報道等にあわせて、Social Distance はソーシャルディスタンスとカタカナ表記されるか、「社会的距離の確保」や「物理的距離を保つこと」などと最近は訳されています。
現在の状況を踏まえて意訳をすると「3つの密を避ける」と言う事になるでしょうか。
Slipstream
この Social Distancing に関係する形で、最近、海外メディアで使われている言葉があります。それは Slipstream (スリップストリーム)です。
元々は車のレースなどでよく使われていた言葉で「高速走行中の車両の背後に、気流の働きで生じる気圧の低い領域」の事を指します。
Slipstream に入ると気圧が低くなり、空気抵抗も少なくなるので、前の車両に追随する車はより少ないパワーで走る事ができます。Sreapstream は、例えば今までは F1レース の中継などでよく聞かれた言葉です。
ではなぜ、この Slipstream が Social Distancing に関連して、新型コロナウイルス関連ニュースで使われる様になったのでしょうか?
この理由も実はF1レースでは良く知られている事が関係しています。前の車の Slipstream に入ると、追随車はより少ないパワーで速く走る事が出来ます。しかし、前の車が出す汚れた排気の影響を受ける事にもなります。
飛沫感染の危険が潜む距離
この画像はカナダの最大の民放テレビネットCTVのニュースサイトの記事からになります。
画像の上に描いてある Distancing to avoid slipstream は、直訳すれば「Slipstream を避けるための距離」になりますが、より意味を伝えるとすれば「飛沫感染の危険が潜む Slipstream を避けるための距離」と訳した方が、わかりやすいかもしれません。
つまりF1レースにおける汚れた排気と同様に、歩いたり、走ったり、自転車に乗っている時に、前にいる人の Slipstream に入ると、飛沫が飛んでくる可能性があるので、歩行の場合は5メートル、走っている時は10メートル、自転車の場合は20メートル、前の人との距離を開けた方が良い = Social Distancing と言う事になります。
用語集
この様に新型コロナウイルスの世界的な拡大に伴い、様々な表現がメディアに登場しています。
さらにこういった用語の英語の翻訳を蓄積・データベース化し、翻訳に役立てようと言う動きも出てきています。
記事にもありますが、このデータベースは翻訳者による翻訳者のための表現集ということで、翻訳経験者に執筆参加を呼びかけて作成されているそうです。
作成に参加する事も可能ですし、用語集として使用する事も可能ですが、あくまでもWikipediaと同じく、ボランティアによって作成されているデータベースである事はご理解下さい。
また国境なき翻訳者団(Translators without Borders / TWB)のサイトにも、COVID-19の用語集が公開されています。こちらには日本語訳は無いのですが、良く使われる言葉が英語から以下言語に訳されています。
TWB glossary for COVID-19
https://translatorswithoutborders.org/twb-glossary-for-covid-19/
- Vietnamese
- Simplified Chinese
- Tagalog
- Burmese
- Kurmanji (Kurdish)
- Arabic
- Swahili
- Kibaku
- Waha
- Bura Pabir
- Mandara
新しい生活様式 関連用語 英訳集
ミーハングループでは、医療用語以外の、いわゆるアフターコロナ / 新しい生活様式・新しい日常にまつわる日本語表現を英訳し、ご紹介しています。併せてチェック頂ければ幸いです。(2020年5月31日追記)
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