2025年は巳年・ヘビ年です。そこで今回は「巳年」と言った言葉についての豆知識や、英語表現、さらには「ヘビ」が象徴する事柄 等についてもご紹介します。2025年 年明け・仕事始めのアイスブレイクや、雑談の時などにご活用頂ければ幸いです。(SpiderMによるPixabayからの画像)
巳年 / 蛇年
漢字の違い
ヘビは通常漢字で書くと「蛇」です。しかしヘビ年の際には「巳年(みどし)」と書きます。
この表記の違い、読み方のについて、先ずは調べてみました。
これは2024年 辰年の時にもご紹介した事ですが、そもそも干支は「年、月、日、時間、方位」などを示すために使われていました。
時間の場合「巳の刻」は午前10時を中心とする前後2時間、またはまたは、午前10時から正午までの2時間を意味し、方位では「南南東」を表します。
「巳」という字は、母親のおなかの中に居る時の姿=胎児の形を表した象形文字になり、蛇が冬眠から覚めて地上にはい出す姿を表しているとも言われています。
英語で巳年
十二支の事は、英語では一般的に Chinese Zodiac と言います。
今年の干支「巳年」を英語で言う場合、以下の様な表現が出来ます。
- 2025 is the Year of the Snake.
2025年は巳年です。 - This year is the Year of the Snake.
今年は巳年です。 - This year's Chinese Zodiac is the Snake.
今年の干支はヘビです。
また、干支の「巳年」に違う漢字が「蛇」とは異なる事は、以下の様に説明する事が出来ます。
We use different Kanji (Chinese characters) for the Year of the Snake / 巳年 than for the snake 蛇.
Snake / 巳 is a Kanji used only in the 12 Chinese zodiac signs. In the olden days, it indicated a direction, time, month, season and year.
もちろん、この英文が唯一無二の正解ではありません。勉強のため、この文章を下敷きに他の言い方、言い回し、説明方法について考えてみるのも、良いと思います。
ヘビの英語表現
英語でヘビを表す場合、パッと思いつくのは Snake ですが、実は Serpent と言う言い方もあります。違いはなんでしょうか? vocabulary.com で調べてみました。
from vocabulary.com
serpent
While you're probably more likely to use the word snake for this slithery reptile, serpent tends to be the word that shows up in folk tales and mythology. Serpents have represented qualities ranging from evil to fertility to poison throughout history, and even today the symbol of medicine is a staff entwined by a serpent. The Latin root is serpentem, "creeping thing," from serpere, "to creep."
つまり Serpent は民話や神話などでよく使われる表現とのこと。
先程、今年の干支「巳年」を英語で言う場合の表現として 2025 is the Year of the Snake. と書きましたが、2025 is the Year of the Serpent. と言った方がカッコイイかも知れません。
因みに「蛇の様に曲がりくねった」を表す形容詞には Serpentine があります。
また Snake を使った idiom / 慣用表現 には snake its way があります。これは Something that snakes its way moves or is arranged in a twisting way / 蛇のように動くもの、ねじれるように配置された○○と言う意味の表現です。
通訳/翻訳者からのTips
Snake を使った idiom の snake its way は、「普通なら入ってこれないところに入ってくる人」などを表す時にも使われる慣用表現です。
人に対して使う場合は「なぜキミがここにいるの?」「誰があなたを通したの?」と言ったネガティブなニュアンスが含まれる表現です。
He or She snaked its way in ~ は、日本語的に分かりやすく言うと「迷惑な人が(また)来た」と言った感じの意味になります。
ですので、ビジネスや公の場では使わない方が良いでしょう。
ヘビ が象徴するものとは?
What does the snake
symbolize?
さて「巳年」つまりヘビが象徴するものとは一体なんでしょうか?
まず、日本でヘビが象徴するモノや意味について、調べてみました。
2025年(令和7年)干支は巳!み年や蛇の豆知識
2024年11月11日 All About より
古来、蛇は信仰の対象となっており、谷神(やとのかみ。谷や低湿地を司る)、豊穣神、天候神などとして崇められてきました。祭祀や祀りごとの「祀」に「巳」が用いられているのは、「祀」とは自然神を祀ることをいい、自然神の代表的な神格が巳(蛇)だったからです。また、蛇は脱皮をすることから「復活と再生」を連想させ、餌を食べなくても長く生きることから「神の使い」として崇められ、全国各地に蛇神を祀っている神社があります。たとえば、七福神のひとつである「弁財天(弁材天)」は蓄財や芸能の女神ですが、弁財天の使者や化身は蛇とされています。
キリスト教では、エデンの園でイブ(エバ)/ Eve を誘惑し人類を罪に導いた悪の象徴的なイメージが、ヘビにはあります。
a snake (in the grass) と言うフレーズには an unpleasant person who cannot be trusted / 信用できない不愉快な人物 と言う意味がありますが、正にヘビのネガティブなイメージ、「邪悪」な感じを表す言葉です。
一方でヘビは「悪」とは異なる象徴としても、聖書に登場します。また日本やアジア以外でも、ヘビは「復活と再生」や「豊穣」「生命力」等を象徴する場合もあります。
その一例が ウロボロス / ouroboros です。古代エジプトやギリシャの象徴的なヘビで、尾を口に咥えて自己を貪り、自己から生まれ変わる様子を表しています。
Djehouty, CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons
さらに 世界保健機関 / World Health Organization(WHO) を始め、病院・救急車などでもよく使われている以下のシンボルにも、ヘビがあしらわれています。
WHO, Public domain, via Wikimedia Commons
Verdy p, Public domain, via Wikimedia Commons
これらは、ギリシャ神話に登場する名医アスクレピオス (英語表記 Asclepius ) が持っていたヘビが巻きついた杖=アスクレピオスの杖 / Rod of Asclepius を表しています。
WHO(世界保健機関)のロゴにある蛇、あれは何?なぜヘビが?どういう意味? (2020/5/27 今井佐緒里 Yahoo Japan)
因みに上部に2つの翼があり、下から2匹のヘビが巻き付いている杖もあります。これはラテン語でカドゥケウス / caduceus と呼ばれており、聖なる力を伝える者が携える呪力を持った杖 / ヘルメースの杖とされています。
このカドゥケウスも、時に医療に関連したシンボルとして使われる事もありますが、これについては興味深い英語の動画があったので、ご紹介します。
さて、来年2025年・巳年がどんな年になるか?まだまだ分かりませんが、いずれにせよ皆様にとって素晴らしい年になる事を、心より願っております。
Vilius KukanauskasによるPixabayからの画像