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カナダ・トロントへ出張通訳

弊社代表であり通訳者でもある右田アンドリュー・ミーハンは、2024年11月上旬~中旬 カナダとアメリカで行われた裁判での通訳を行う為、海外出張を致しました。今回のブログでは裁判の事も含めて、その時の様子を簡単にご紹介します。Scott WebbによるPixabayからの画像)

通訳者と海外出張

海外で行われる国際会議やイベント、裁判等の為に、通訳者が海外出張をすることは多々あります。

新型コロナウイルスが蔓延していた最中や、それ以降、オンライン(遠隔)で通訳をすることも増えましたが、2024年には実際に海外に行く事も、コロナ禍以前と同じくらいになってきています。

今回、弊社代表で通訳者でもある右田アンドリュー・ミーハンは、カナダとアメリカで行われた裁判で通訳をする為、11月上旬から中旬にかけてトロント(カナダ)に滞在しました。

今回のブログでは、その時の様子を少しレポートしたいと思います。

トロントの様子
2024年11月

日本でも、お店のディスプレイ等がクリスマス・シーズンに変わりつつありますが、カナダも同じ様な感じで、ちょうど街中にクリスマスツリーなどが登場していたとのこと。

とは言え 11月ですので、本格的な飾りつけやクリスマスに向けたセールには、少し早めと言った感じだったそうです。

11月5日に実施された、アメリカ大統領選挙の結果への注目度は やはり高く、特にトランプ次期大統領の政権人事発表ニュースは、カナダのメディアでも大きく取り上げられたそうです。

カナダはご存知の通りアメリカの隣の国ですから、その影響は大きいですし、カナダ自体も総選挙を控えている(2025年10月 までに実施予定)ので、次期トランプ大統領の動向は気になるのでしょう。

Trump's return to the White House: his cabinet choices so far(Nov 13, 2024 CBC)
Trump nomme d’ardents fidèles à des postes clés (12 novembre Radio-Canada・フランス語)

※CBCは、カナダ放送協会 / Canadian Broadcasting Corporation の略称になります。カナダの公用語は英語とフランス語になる為、フランス語のサイトもあります。

カナダで公用語が英・仏語ふたつのワケ|特集「カナダの“なぜ”に迫る」(2019年1月11日 TORJA Toronto+Japan Magazine)

テイラー・スウィフト
Taylor Swift

今さらテイラー・スウィフト / Taylor Swift について、改めて説明をする必要もないと思いますが、 皆さんもご存知の通り、グラミー賞史上初めて アーティストとして「年間最優秀アルバム賞」を4度受賞した、アメリカの超有名シンガーです。

2023年3月にアメリカ・グレンデールで始まり、コンサート映画にもなった彼女の The Eras Tour トロント公演前半は、右田が同地滞在中に開催されました。

※映画 Taylor Swift / The Eras Tour (Taylor's Version)は、2024年3月15日からDisney+で独占配信中です。

会場は、4万人を収容する ROGERS CENTREで、2024年11月14日~16日、そして11月21日~23日まで計6日間 開催。

同スタジアムで、これだけのショーを連続して行うのはテイラー・スウィフトが初とのこと。

カナダのメディアも、本公演の様子や、熱狂するスウィフティーズ(テイラー・スウィフトのファンの事。Swifty / 複数の場合はSwifties)の様子を報じていました。

彼女のコンサートが開催される事で、トロントの街中にスウィフティーズが溢れかえり、交通網の混雑も予想された為、特別電車の運行やガードマンの増員を実施、警察も厳戒態勢をひくほどでした。

ホテルの部屋の値段は、なんと 1泊1,500ドル~2,000ドル(カナダドル)にも跳ね上がったそうです。

しかし それらの対応を引き換えにしても、彼女がコンサートを開催する事により、余りある利益が見込める訳ですから、凄いものです。

カナダ・アメリカでの裁判

さて、今回はカナダとアメリカで行われた裁判で通訳を行う為、弊社代表の右田アンドリューは海外出張をしたわけですが、カナダとアメリカは それぞれ別の案件/訴訟になります。

カナダ・トロントで行われた裁判は、日本企業が持つ特許に関する裁判でした。

特許などについての訴訟/裁判は、カナダの場合、以前は書面等でのやり取りで対応可能な部分も結構あったそうですが、現在は対面による証人・尋問手続きが必要となった為、現地に赴く事になりました。

※対面による証人・尋問手続きが必要か否かは、ケースによっても異なります。

「通訳者がわざわざ日本から行かなくても、現地で日本語/英語の通訳者を雇えば良いのでは?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、特許に限らず機密事項の多い企業の訴訟案件を、多数の通訳者に依頼すれば「機密保持」は難しくなります。

また、訴訟は何段階にも分けて行われる為、初見の通訳者に依頼する場合は、打ち合わせにて今までの流れを全て説明をした上で裁判に臨むことになります。

その手間暇や、通訳者及び依頼者側の理解、信頼度等を鑑みて、渡航費用がかかっても最初から関わっている通訳者に依頼する方が安心と言う面もあります。

一方、アメリカ 中西部で予定されていた裁判ですが、こちらも日本企業が関係する裁判だったのですが、法廷内審理が行われる直前に双方が話し合った結果 和解となった為、実際の裁判は行われず、通訳はキャンセルとなりました。

この様な事は、しょっちゅうと言う訳ではありませんが、たまに発生する事もあります。

ですので、結局右田はアメリカには行かず、トロントにてお土産用のメープルシロップチョコを買い、帰国の途についた訳です。

陪審員制度
裁判員制度

実は、和解の為キャンセルとなったアメリカでの裁判には、陪審員も参加する予定でした。

アメリカの場合、知的財産権侵害(特許)訴訟などを含めた民事訴訟においても陪審裁判が行なわれます。

陪審裁判では、彼らの心証等も考慮する必要がある為、慣れていない国の人や企業にとってはハードルが高い事でも知られています。

日本にも、国民の中から選ばれた裁判員が参加する裁判員制度がありますが、コチラは刑事事件のみが対象、かつ 全ての刑事裁判が対象ではありません。

日本では、裁判員制度は2009年にスタートしました。この裁判員が参加する裁判での通訳も、右田アンドリューは経験しています。

それは 2010年 東京地裁で行われた強盗事件の裁判で、被疑者は3名、スペイン語、ポルトガル語、英語の話者でした。

この時は、日本語を軸(ピボット)にし、3言語の通訳者がそれぞれ日本語とスペイン語、日本語とポルトガル語、日本語と英語の通訳を担当。通訳対象は、被疑者だけではなく証人等の通訳も含まれました。

裁判員制度に まだ裁判官や検察官、弁護士等 全員が慣れていない時期に行われた、裁判員が参加する、通訳者を挟んだ刑事裁判だった為、訳す言葉の選び方などで苦労した事を、右田はよく記憶しているそうです。

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