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ドラマ「VIVANT」で注目された モンゴル語の通訳/翻訳事情

人気ドラマ「VIVANT」で注目を集めたモンゴル。ドラマの舞台は架空の国「バルカ」でしたが、撮影はモンゴルで行われ、バルカで話される言語もモンゴル語でした。そこで今回はモンゴル語の通訳/翻訳事情 等について少しご紹介。併せて2023年9月23日より公開される内モンゴル映画「草原に抱かれて」もご紹介致します。David MarkによるPixabayからの画像)

ドラマ
VIVANT

2023年7月16日~9月17日までTBS系列で放送されていたドラマ「VIVANT

主演の堺雅人さんを始め 豪華なキャスティングはもちろん、ドラマの舞台となった架空の国「バルカ」のシーンは全てモンゴルで撮影を敢行、その壮大なスケールも話題になりました。

また架空の国「バルカ」は、撮影をしたモンゴルの言語や文化を取り入れて設定されていた為、出演した役者さん達がモンゴル語で話すシーンもあり、その難しさに苦戦したと言ったエピソードもありました。

「VIVANT」松坂桃李が「モンゴル語」に大苦戦明かす…続けるか問われ「何も言えません」(2023年9月12日 日刊スポーツ/Yahoo news)

ドラマのタイトル「VIVANT(ヴィヴァン)」は、ある日本語をモンゴル語読みした時の音の表記を反映しており、言語の違いを生かした巧みなタイトルになっています。

因みに VIVANT は、フランス語では『生きている / 命のある / 活気のある』と言った意味ですが、これもドラマのストーリーに実は関連しているのでは?とSNSでは話題になっていました。

ドラマ「VIVANT」は、現在動画配信サービス U-NEXT にて全話配信されています。

U-NEXT 「VIVANT」配信ページ
https://www.video.unext.jp/title/SID0090400
日曜ドラマ「VIVANT」特設サイト
https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/

モンゴル語

ドラマ「VIVANT」の人気により、注目を集めているモンゴルやモンゴル語ですが、モンゴルと言えば ドラマの撮影も行われた、首都がウランバートルのモンゴル国を思い出される方が多いと思います。

大相撲ではモンゴル国出身力士が多数活躍しており、日本の小学生向け国語の教科書にはモンゴル民話の「スーホの白い馬」が掲載されるなど、モンゴルは意外と身近な国ですが、その文化や言語は余り良く知られてはいません。

例えば、日本の飲料「カルピス」は、実はモンゴル民族の馬乳酒がルーツである事はご存知でしょうか?

カルピス®の生みの親 三島海雲 より

「カルピス」の生みの親・三島海雲(かいうん)は、1878(明治11)年7月2日、現在の大阪府箕面市にある教学寺の三島法城の長男として生まれました。(中略)

あるとき、仕事で北京から内モンゴルに入った海雲は、そこで「カルピス」の原点である酸乳と出会いました。

当地の遊牧民たちが毎日のように飲んでいた酸っぱい乳をすすめられるまま口にしたところ、そのおいしさと健康効果に驚きを受けました。

長旅ですっかり弱っていた胃腸の調子が整い、体も頭もすっきりしてきたのです。その酸っぱい乳が乳酸菌で発酵させた“酸乳”だったのです。

酸乳を日常的に摂取しているモンゴル民族のたくましさに驚き、自らも酸乳の健康への効果を体験し、その力を実感しました。

https://www.calpis.info/knowledge/developer/

このカルピスの原点を説明する文章にもありますが、いわゆるモンゴル民族=モンゴル語を話す人々やエリアは、実はモンゴル国だけではなく、中国の内モンゴル自治区を始めロシアなどにもあります。

ただし、モンゴル語を唯一の公用語としているのはモンゴル国だけになります。

日本では、まだなじみの少ないモンゴル語ですが、東京外国語大学や大阪大学 外国語学部にはモンゴル語専攻のクラスがあります。

さらに、文部科学省がYouTubeで公開している外国人児童・保護者向け動画「はじめまして!今日からともだち」にはモンゴル語版もあります。

モンゴル語の
通訳 / 翻訳 事情

ミーハングループは、アジア地域での国際会議では 国防長官会議 / Chief of Defense Meeting (CHOD) にて通訳を担当。ブルネイ、シドニー、ホノルル、バンコクで行われた会議に、右田アンドリュー・ミーハンが出席しています。

Chief of Defense Meeting の基軸言語は英語、つまり会議の進行言語は英語ですが、多言語通訳ブースも用意されています。

モンゴル語のブースは英語⇔モンゴル語の通訳者が2名いました。

右田アンドリュー・ミーハン

モンゴル語全体の話者数は700万人ぐらいと推定されおり、通訳/翻訳においてはメジャーな言語ではありません。

欧米では、モンゴル語の案件そのものが少ないため、医療通訳、法廷通訳、コミュニティ通訳と言った特定専門分野を持たずに活躍してると聞いています。

日本でも、法廷通訳や医療通訳、コミュニティ通訳でトップ利用のアジア言語は中国語、ベトナム語、韓国語 などで、モンゴル語の利用は多くはありません。

しかし、日本の出入国在留管理庁が2022年12月末に調べた在留外国人統計では、アジアからの在留者 2,594,216人 / 40ヶ国の内、モンゴル人は16,580人 / 16番目となっています。(1位は中国人で761,563人、2位はベトナム人で489,312人、3位は韓国人で411,312人です。)

参考サイト:政府統計ポータルサイト 統計で見る日本 / 在留外国人統計(旧登録外国人統計)/ 調査年月 2022年12月

つまり、日本にはモンゴル語を必要とする人々が一定数在住していると言えるのではないでしょうか。

ミーハングループでは、通訳部門は英日 / 日英の案件が多いですが、翻訳部門では英語を始めとした欧州言語はもちろん、アジアや中東・アフリカなどの希少言語も含め 約60言語を取り扱っており、モンゴル語の翻訳も手掛けております。

モンゴル語の翻訳は、主に日本に在留する方に向けた行政関係の書類や、病院の案内等の翻訳案件が多いですが、お困りのことがございましたら、お気軽にお問合せ下さいませ。

ミーハングループの翻訳の特徴他については以下ページよりご確認下さいませ。

内モンゴルを
舞台にした映画

ドラマ「VIVANT」は ウランバートルが首都のモンゴル国にて撮影されましたが、2023年9月23日より 中国 内モンゴル自治区で撮影された映画「草原に抱かれて」が、新宿 K's cinemaにて上映。全国でも順次公開されます。

映画「草原に抱かれて」Website
http://www.pan-dora.co.jp/sougen/

2022年 東京国際映画祭では「へその緒」というタイトルで上映された映画「草原に抱かれて」。

世界各地の映画祭でも話題となった本作は、内モンゴル自治区の魅力豊かな大自然を背景に、認知症を患う母と息子の関係を描いたロードムービーになります。

因みに、本作の製作国は中国になりますが、登場人物たちが話している言語は「モンゴル語」になります。

身近だけれども、まだまだ知らない事も多いモンゴル民族の文化、そして現在の様子 等を本作を通じて知るのも良いかもしれません。

  • 映画「草原に抱かれて」作品情報
    • 2022年 製作
    • 上映時間:96 分
    • 製作国:中国
    • 言語:モンゴル語
    • 原題:臍帯
      英題 : The Cord of Life
    • 日本語版字幕:鈴木真理子
      字幕協力:東京国際映画祭
    • 字幕+資料作成協力
      山越康裕(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授)
    • 配給:パンドラ

公開スケジュール
2023年9月23日より新宿 K's cinema にて上映。順次全国でも公開。

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