そろそろ海外や英語でのやり取りでは、年末やクリスマスの挨拶もチラホラ出てくる頃です。今回のブログでは、昨年もご紹介した年末の英語コミュニケーションで、話題にしない方が良い表現、気をつけたい表現についてご紹介します。
新型コロナウイルスに
関連した表現
2020年から世界中で感染拡大を続ける新型コロナウイルス。最近ではオミクロン株 Omicron variant の蔓延など、気になる人も多いと思います。
英語の挨拶でも、例えば定番的な I hope you are well or all of you are well や I hope all is well をアレンジして、このコロナ禍でも無事に過ごしている事を願う気持ちを伝える為に I hope you are well and keeping safe in this pandemic. 等と書いたりする人も居るかもしれませんが、ビジネス関係であれば注意が必要です。
それは相手のご家族や身近な方が、新型コロナウイルスに罹患したり、亡くなっている場合もあるからです。相手について良く知らないのであれば、この手のアレンジはしない方が無難です。
また同様に、メール等の文末に Stay Safe や Stay Home, Stay Healthy 等と書く事も避けた方が良いでしょう。
ワクチン接種
日本では第3回目のワクチン接種が始まりましたが、ワクチン接種をするかしないかは、非常に個人的な事柄なので、これも親しい間柄でないのなら話題にするのは避けましょう。
「私はワクチン接種を終えました I'm fully vaccinated / doubly vaccinated 」と書いたりする事も、ワクチン接種が体質的に出来ない人や、ワクチン接種に懐疑的な人も居ますので、避けた方が良いでしょう。
入国規制
現在、オミクロン株の出現により、日本政府を始め様々な国が入国に関して規制を強化しています。
この入国規制強化については、以下の様な表現が英語メディアでは用いられています。
- Border closed
- Entry bans for 〇〇
※for 以下は禁止対象者:例 travelers - Refused entry in to 〇〇
※in to 以下は場所等:例 Japan - immigration restrictions
また、日本の外務省は Border enforcement measures to prevent the spread of novel coronavirus (COVID-19) (新型コロナウイルス /COVID-19 拡散防止のための国境執行措置)と言う表題で情報をWebsiteに掲載し、注意を促しています。
border
a line that has been agreed to divide one country from another
国境:ある国と別の国を分けるために合意された境の線enforcement
the process of making people obey a law or rule,
or making a particular situation happen or be accepted
人々を法律や規則に従わせる、または特定の状況を発生させたり、受け入れさせたりするプロセスmeasures
https://dictionary.cambridge.org/
a way of achieving something, or a method for dealing with a situation
何かを達成する、または状況に対処するための方法
入国規制だけではなく、日本では現在コロナウイルスの感染状況は若干落ち着いては居ますが、世界には再び感染拡大となっている国も少なくありません。
ワクチン格差によりワクチンの接種が進んでない国、地域もあります。因みにワクチン格差は英語では The Vaccine Divide や COVID vaccine divide / coronavirus vaccine divide または Covid vaccine gap / Vaccination gap と表現します。
さらに、新型コロナウイルスについては、色々な考えを持つ人や、様々な状況の人が居ます。ですので、ビジネス関係の相手であれば、その話題には余り触れない方が良いでしょう。
新型コロナウイルス
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通訳/翻訳会社ミーハングループ・ブログにて紹介した新型コロナウイルスに関連する英語表現他、全ての記事は、以下リンク及び画像をクリック頂くと、一覧にてご確認頂けます。
https://meehanjapan.com/tag/covid-19/
※英語表現や情報は、記事の掲載時期によります。ご理解・ご了承下さいませ。
宗教的な表現
クリスマスは、キリストの生誕を祝うお祭りですので、キリスト教のイベントになります。しかし世界各国には様々な宗教を信じる人々がいます。
日本は、宗教に対して寛容な国ですので、仏教を信じていたとしても「メリークリスマス」と言う事に抵抗を感じる人は余りありません。
しかし、国や人によってはそうでない場合もあります。
ですので、クリスマス時期や年末の挨拶には Wishing you a beautiful holiday season! や Best wishes for a bright holiday season and a peaceful New Year 等と書く事が最近では一般的になっています。
とは言え、現在は各国入国規制等も行われており、今年も家族と共に年末年始の休暇を過ごせない人、外出が思うようにできない人も居ますから、そう言った事も踏まえ、例えば holiday season の前の形容詞を nice や good にする等の配慮は、状況によっては必要かもしれません。
ジェンダー表現
ここ最近、ジェンダー(性別)についての意識や表現も大きく変わりつつあります。
例えば、ついつい Have a great holiday with your wife / husband / family / loved ones. と書いてしまう事もあるかも知れませんが、相手の事を良く知らない(ビジネス)関係であれば注意が必要です。
また、改めての挨拶だからと Mr / Ms または Sir / Madam (Ma'am) を使用する際も注意が必要です。
では、どの様に書く事が無難か? ビジネスの場合は Dear (名前・フルネーム) または会社や仕事の肩書を使用する、Dr / Prof などの肩書があればそれを使用するのも良いと思います。
このジェンダー表現については、年末/年始の挨拶以外でも注意が必要な表現になるので、また改めてこのブログでもご紹介したいと思います。
オリンピック
今年2021年には東京で夏季オリンピックが開催されました。
そして年明け2022年には、弊社代表通訳/翻訳者 右田アンドリューも翻訳エキスパートを務めた、北京での冬季オリンピックが開催されます。
しかしこの話題も、今は国や人によっては考えや反応が様々ですから、避けた方が良い話題だと思います。
アレもコレもNGと言われると難しいと思われるかも知れませんが、様々な状況/考え/立場がある事を念頭に置き、外交的にやり取りをする事を、言語を限らずビジネス・コミュニケーションでは求められます。
英語のコミュニケーションもその延長として捉え、お互いに気持ちの良く年末の挨拶をすませたいものです。