熱海の土石流災害を始め、雨による自然災害被害が出ています。お亡くなりになられた方々へ心から哀悼の意を述べると共に、被害にあわれた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
今回のミーハングループ・ブログでは、土砂崩れや土石流、線状降水帯などの英語表現、また自然災害や気象/天気についての勉強方法をいくつかご紹介します。
土砂崩れ 地滑り 等
英語表現
今回の熱海で起きた土砂崩れについての、英語メディア各社の表現を、まずは見てみましょう。
- Search continues for 20 missing people after deadly mudslide in Shizuoka - Japan Times, July 4, 2021
- 2 feared dead, 20 missing after large mudslide hits Atami - Japan Today, Jury 3, 2021
- Dozens still missing after Atami mudslides - NHK World News, July 5, 2021
国内の英語メディアでは Mudslide / Mudslides と言う表現を使っています。
- Japan landslide: 20 people missing in Atami city - BBC News, July 4, 2021
- About 20 people missing and 2 dead after mudslide wipes out homes in Japan's Atami city - CNN, July 4, 2021
- 2 dead, 20 missing after mudslide rips through Japan town - The Washington Post, July 3, 2021
海外の英字メディアではイギリス・BBCが Landslide アメリカ・CNNとThe Washington Post は Mudslide と言う表現を使っています。
Landslide は日本語にするならば 地滑り。Mudslide は Mud が泥や湿った土を意味するので 土砂崩れ と言ったニュアンスになるでしょうか。
辞書で調べてみると、どちらの言葉も大量の土砂(泥、岩、土)が急斜面を突然滑り落ちた事を意味しています。
- landslide / landslip
a mass of rock and earth moving suddenly and quickly down a steep slope
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/landslide- mudslide
a mass of mud (= wet earth) moving suddenly and quickly down a steep slope
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/mudslide
土石流
英語表現
ところで、大量の土砂が流れる言葉と言えば、日本語表現では「土石流」があります。今回の熱海の災害でも日本語報道メディアでは使用されています。
この「土石流」と言う言葉を、和英辞書で調べてみると Debris flow とありますが、海外及び日本の英語メディアでは使われていない様です。なぜでしょう?
Wikipediaには以下説明がありました。
土石流・概要
Wikipedia 土石流 より
地質学で用いられる斜面変動の分類はD.J.ヴァーンズによる分類が基礎となっている。
B.W.ピプキンとD.D.トレントによる斜面変動の分類では、移動速度の非常に速い流動(flow)のうち、岩石の流動を岩なだれ(rock avalanche)、粗粒土の流動を土石流(debris flow)、細粒土の流動を泥流(mud flow)に分類している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%9F%E7%9F%B3%E6%B5%81
こう言った地質学(Geology)による定義も関係しているのかも知れませんが、自然災害時に使われる言葉は各国や地域により異なりますので、Mudslide / Mudslides / Landslide と言った言葉の方が、英語圏では馴染みのある表現なのかも知れません。
線状降水帯
英語表現
さて、最近の天気予報等では大雨についての報道のさいに「線状降水帯」と言う言葉が使われているのをよく耳にします。
線状降水帯とは
次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域を線状降水帯といいます。
毎年のように線状降水帯による顕著な大雨が発生し、数多くの甚大な災害が生じています。この線状降水帯による大雨が、災害発生の危険度の高まりにつながるものとして社会に浸透しつつあり、線状降水帯による大雨が発生している場合は、危機感を高めるためにそれを知らせてほしいという要望があります。
発生メカニズムに未解明な点も多く、今後も継続的な研究が必要不可欠です。
気象庁・顕著な大雨に関する情報 より
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/kenchoame.html
しかし、海外や国内の英字メディアを調べてみると、線状降水帯に関する表記は見かけません。多くは単純に Heavy rain とだけ書かれています。
気象用語としては Training (meteorology) 他がある様ですが、やはり余り馴染みのない言葉なのではないでしょうか。
先ほども書きましたが、自然災害時に使われる言葉は各国や地域により異なります。
日本の天気予報で使われている言葉をそのまま訳しても、専門の勉強をしている人でない限り、通じない場合もある事は理解しておいた方が良いでしょう。
気象に関する
英語表現を学ぶには
津波は、世界的にも Tsunami と呼ばれる事はご存知の方も多いと思います。津波を表す英語には Tidal wave もありますが、東日本大震災もあり、現在では Tsunami と言えば英語圏でも大抵は通じます。
自然災害全般は Natural Disaster です。それ以外の気象に関係する一般的な英語表現については、学生時代に習ったと言う方も多いと思いますが、より複雑な気象情報に関する英語表現を知るには、気象庁の英語サイトをチェックするのも良いかも知れません。
気象庁英語サイト
https://www.jma.go.jp/jma/indexe.html
また海外や日本の英語ニュースメディアのお天気情報ページをチェックすると、より一般的な表現を知る事が出来ます。
さらに以下の様な言葉で検索をすると、様々な動画やサイトが出てくるので、それらをチェックするのもおススメです。
- 天気予報
Weather forecast news - 気象予報士
Meteorologist - 気象状況
Weather condition - 気候変動
Climate change - 地球温暖化
Global Warming
因みにオーストラリアでは、こんな素敵な気象予報士が天気予報をする場合もある様ですよ。
(2020年9月14日公開の動画になります)