日々変化する新型コロナウイルスの感染拡大状況。今回のミーハングループブログでは、緊急事態宣言の延長/解除、患者数の再増加、ワクチン接種の副反応、そして変異株についての英語表現をご紹介。さらには日本語における「副反応」と「副作用」の違い、「変異種」と「変異株」の違いもご紹介します。
緊急事態宣言
延長・英語表現
2021年3月5日には首都圏1都3県の緊急事態宣言の延長が発表されました。英語で延長を意味する言葉は "extend" です。Cambridge Dictionary で調べると、この言葉の定義については "to add to something in order to make it bigger or longer" とあります。
つまり「もと」となるモノや事柄、予定等に何かを追加して、延ばしたり、大きくしたりする事=拡張や延長を意味します。
緊急事態宣言の延長について、在日英語メディアは以下の表現を用いて報じました。
- Suga announces two-week extension to state of emergency in Tokyo area.
The Japan Times Mar 5, 2021- State of emergency extended for Tokyo
NHK WORLD Mar 5, 2021- Japan extends COVID-19 state of emergency in Tokyo area
Reuters Mar 5, 2021- Suga to decide state of emergency extension for Tokyo region on Friday
Japan Today Mar 4, 2021
「菅総理大臣が、緊急事態宣言を3月21日まで延長する事を発表した」と言う内容は
”Prime Minister Suga announces extension to state of emergency until March 21, 2021.” となります。
"extend" 以外の言葉を使って緊急事態宣言が延長された事を英語で表現する場合
例えば "change" を使って "The Japanese Government has changed the date of the planned end to the state of emergency for the Tokyo area to March 21st, 2021." と言う事もできます。
また "delayed" を使って "The Japanese Government has delayed the planned end to the state of emergency for the Tokyo area until March 21st, 2021." と言う事も可能です。
"change" は予定していた最終日が変更となった、"delayed" は予定していた最終日が遅れたとする事で、予定していた期間が延長した事を伝えています。
因みに予定の再延長は "re-extend" と表現する事が出来ます。
緊急事態宣言
解除・英語表現
緊急事態宣言の解除については、2020年5月に掲載した当ブログ記事にてご紹介していますが、下記表現が一般的です。
- Lifting of the state of emergency
その他、同時期に掲載した記事でご紹介した緊急事態宣言解除に伴う様々な表現を再度ご紹介致します。
解除基準(新型コロナウイルス感染拡大防止の為の緊急事態宣言解除基準)
- Reopening benchmark
段階的緩和・段階的に緩和
- 用例:外出自粛要請等について、おおむね3週間ごとに地域の感染状況などを評価して段階的に緩和する
- Re-opening in phases
※緩和は通常 relaxation と訳されますが、この場合は経済の緩やかな再開を意味するので reopening としました。
感染拡大予防(防止ではなく予め防ぐ為の対策)
- Measures and implementations to prevent contracting coronavirus.
その他の表現については下記記事をご参照下さいませ。
再増加 / リバウンド
英語表現 ?
一度減った患者数が再び増える事を「リバウンド」と最近のニュース等では言っていますが、この「リバウンド」は英語でも同じなのでしょうか?
英語の "rebound" には、硬い表面にぶつかって跳ね返ると言った意味があります。またビジネスでは、価格や株が下落後に上昇する時にも使われます。
世界保健機関(World Health Organization:WHO)のWebsiteを見てみると
"International update: WHO warns against ‘virus rebound’ as global Covid infections rise – New variant detected in US"
と書いてありますから、再びの増加については英語でも "rebound" と表現される様です。
小池都知事も新型コロナウイルスについての英語でのメッセージ動画で "A rebound in COVID-19 infections is an important concern." と、東京における感染者の再増加についての懸念を伝えています。(2021年3月12日公開動画)
ワクチン接種
英語表現
以前掲載した新型コロナワクチン接種に関連した英語表現記事にて、副作用の英語表現は "Adverse drug reaction" と紹介しましたが、これ以外の副作用の英語表現としては "side effect (side effects)" があります。
しかし、現在日本ではワクチン接種後に起きる有害な反応については「副作用」ではなく、「副反応」と言う表現を多く用いています。
なぜ日本語では「副作用」ではなく「副反応」と言うのでしょうか?意味は違うのでしょうか?
Q 副反応は、副作用とはどう違うのか。
A 薬やワクチンの使用後に起きる、期待されたものと異なる有害な影響という意味では同じだ。治療に使う薬では「副作用」と呼び、ワクチンの場合は「副反応」と分けて呼ばれる。英語では同じ「side effect」という言葉が使われるのが一般的だが、日本では薬害の歴史などもあり、より厳密な使い分けが進んだとみられる。
読売新聞記事より引用
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210124-OYT1T50011/
つまり日本語での「副反応」は、英語では 「副作用」と同じ "Adverse drug reaction" または "side effect (side effects)" を使って表現する事になります。
アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)のWebsiteにも、「COVID-19ワクチン接種後に起こりうる副作用」は "Possible Side Effects After Getting a COVID-19 Vaccine" と書かれています。
新型コロナウイルス
変異株 英語表現
新たにフィリピン変異株も見つかった新型コロナウイルス。日本語では「変異株」と言われますが、なぜ「株」なんでしょうか?
これについては日本感染症学会が、2021年1月29日に「変異“種”という表現が一部報道機関で統一して用いられているようですが、これは学術的には誤用となりますので、今後は変異“株”と正しく表記していただきたくお願い申し上げます」と声明を発表しています。
- 突然変異はすべての生物において、遺伝子の複製過程で一部読み違えや組み換えが発生し、遺伝情報が一部変化する現象です。
- この中で、新しい性質を持った子孫ができることがあります。この子孫のことを変異“株”と呼称します。変異株は、変化した遺伝情報の影響を受けた一部の性質が変化していますが、もともとの生物の種類は変化していません。この場合、同じウイルスの複製バリエーションにすぎませんので、ウイルスの名称は変化しません。
- しかしながら、極まれに近縁の生物種の間で多くの遺伝子の交換(組み換え)が起きると、2つの生物種の特徴を併せ持った新しい生物種が誕生することがあり、その場合には変異“種”と呼称します。この場合、新型のウイルスが誕生することになるので、新しいウイルスの名前が与えられます。
日本感染症学会Website記事より引用
https://www.kansensho.or.jp/modules/news/index.php?content_id=221
英語では変異株の事は以下の様に表現されています。
"Variant" の言葉の定義は Cambridge Dictionary によると "something that is slightly different from other similar things" つまり「他の同様のものとは少し異なるもの」と言う意味なので、日本感染症学会の言う「株」と同じです。
また「変異株」については、英語では以下の様な言い方もします。"of COVID-19" は、通常会話であれば付けなくても、現在の状況であれば容易に新型コロナウイルスの変異株である事はわかります。
- Mutated strain (of COVID-19)
- Next strain (of COVID-19)
- New strain (of COVID-19)
因みにイギリス変異株、南アフリカ変異株、ブラジル変異株等については、South African variant や、UK COVID (Corona) variant、また Brazil strain や South Africa COVID (Corona) Strain などと英語では言われています。
新型コロナウイルス
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