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米大統領選に学ぶ英語表現:バイデン氏への各国首脳 祝福コメント編

2020年11月7日夜(日本時間8日午前)、米大統領選2020にて当選確実となったジョー・バイデン氏は、勝利演説を行いました。これを受けて、各国の首脳がTwitter等にてお祝いのコメントをしています。

今回は、この勝利演説及び各国首脳の祝福コメントから、ビジネス等でも使える英語表現を、いくつかご紹介します。

勝利演説から学ぶ英語表現

米大統領選2020にて当選確実となったジョー・バイデン氏は、2020年11月7日夜(日本時間8日午前)に勝利演説を行いました。

この勝利演説は一般的に Victory Speech と英語では呼ばれています。

分断ではなく結束を

バイデン氏の勝利演説を報じる様々なメディアの見出しを飾った言葉「分断ではなく結束を」は、スピーチの中の以下の一節から引用されたモノでした。

I pledge to be a president who seeks not to divide, but to unify.
Japan Times : Transcripts of victory speeches by Biden and Harris より引用

「私は分断ではなく結束を目指す大統領になることを誓います」

Divide は分割するや分ける、unifiy は統一するや統合すると言った意味に訳される事が多いですが、今回のスピーチでは、この後に "Who doesn’t see red and blue states, but a United States." と続くので、選挙で赤=共和党(Republican Party)と青=民主党(Democratic Party)に分かれたアメリカを、再び1つに結びつけると言う言葉を受けて「分断ではなく結束を」と訳されたのだと思います。

I pledge to be a 〇〇
who seeks 〇〇〇.

勝利演説でバイデン氏が言った "I pledge to be a president who seeks not to divide, but to unify."

この "Pledge" と言う言葉は聞きなれない表現かも知れませんが、選挙で投票されて勝利した人が、今後の活動を公約する時などに良く使われる言葉です。

【 I pledge to be a 〇〇 → 私は○○になると誓う / who seeks 〇〇〇 → 〇〇〇を目指す】

これが1文となって「私は○○を目指す(または追及する)〇〇になると誓います」となりますが、この表現はビジネスでも応用する事が出来ます。

ビジネスでは "pledge" ではなく、より柔らかい表現 "I promise" や "I swear" を用いて "I promise (or swear) to be a 〇〇 who seeks 〇〇〇. " と言った風に使うのが良いでしょう。

例えばリーダー等に選ばれた際に
”I promise to be a good leader who seeks uniqueness." とスピーチなどで言うと効果的かと思います。

因みに promiseは口語でよく使われる言葉で、約束や約束事を意味します。Swearは、ほんとに〇〇しますと言ったニュアンスの言葉で、宣誓する、宣言する、断言すると言った意味になります。

プロポーズをする時などに "I promise to be a good partner who make you smile.” と言う事が出来ますが、最初の言葉を "I promise" とするか "I swear" とするかは、相手に伝わるニュアンスが異なるので、よくよく考えて選んでください(笑)

各国首脳による
祝福コメント

さて、バイデン氏の勝利演説を受けて、日本の菅総理も含め、各国の首脳がTwitterにてお祝いコメントをTweetしています。

このブログでは、今回は英語が母語の国の首脳のお祝いTweetから、ビジネスで使える表現を紹介したいと思います。

Ally

まずはイギリスのボリス・ジョンソン首相のTweetです。

"The US is our most important ally and I look forward to working closely together on our shared priorities, from climate change to trade and security."

【 Ally 】は味方や同盟者と言った意味です。ジョンソン首相は "from climate change to trade and security." 「安全保障や貿易、そして気候変動まで」と具体的に書く事で、幅広い事案において緊密な関係を築く事をアピールしています。

Every success in office

続いてはオーストラリアのモリソン首相のTweetです。

在日オーストラリア大使館が日本語に訳したものをTweetしていたので、このTweetをシェアしましたが、ビジネスで使える表現は訳されていないパートにある "every success in office" でしょうか。

これは「今後の取り組みすべてがうまくゆくように」と言った意味になります。

ビジネスの場で、新たに就任された方に "Congratulations to 〇〇. We wishes you every success in office." などとメッセージを送ると良いかも知れません。

また "I look forward to working with you closely as we face the world’s many challenges together." の中で使われている "as we face" は直面していると言う意味です。

つまり "as we face the world’s many challenges" で「我々は世界の多くの課題に直面している」と言う意味になります。

President-elect

ニュージーランドのアーダーン首相は、バイデン氏のアカウントの前に "President-elect" と書いています。これは "次期大統領”を意味する表現です。

次のアメリカの大統領と言う場合 ”the next President of the United States of America” が思い浮かぶかと思いますが、"President-elect" も良く使われる言葉です。

"Elect" には「投票で選ぶ、選出する」と言う意味もありますが、この場合の "elect" は「選挙等で選ばれた就任前の」と言う意味なので、President-elect = 次期大統領となります。

当選確実が出たとしても、アメリカ大統領就任式は来年2021年1月20日ですから、それまではバイデン氏は President-elect Biden (President-elect Joe Biden)となります。

もちろん ”the next President of the United States of America” と書いても間違いではありませんが、肩書として書くには少し長いですよね。

因みに、この "〇〇-elect" は次期副大統領にも使えます。その場合は Vice President-elect Harris (Vice President-elect Kamala Harris) となります。

さて、アーダーン首相はその後に ”your message of unity is one we share.” と書いていますが、これは「あなたの団結のメッセージは私たちが共有するものです」と言う意味で、同じ思いを共有している事を上手くアピールしています。

人々に対する共感力=Empathy が高いと世界的に評価されているアーダーン首相らしい表現ですね。

Unique on the world stage

最後はカナダのトルドー首相です。

【 Allies 】は 【 ally 】の複数形です。イギリスのジョンソン首相は "The US is our most important ally" 「アメリカは我々の最も重要な味方」と、アメリカのみを対象としているので単数形の "ally" を使っていますが、トルドー首相は "Our two countries" と「カナダとアメリカ」を指しているので "allies" と複数形を使っています。

また、このTweetに連なる形でバイデン氏と副大統領に選ばれたカマラ氏へのお祝いの声明を掲載したページのリンクをシェアしていますが、その声明の中で以下の様な表現を用いています。

Canada and the United States enjoy an extraordinary relationship – one that is unique on the world stage. Our shared geography, common interests, deep personal connections, and strong economic ties make us close friends, partners, and allies.

from Statement by the Prime Minister of Canada on the result of the U.S. presidential election 

トルドー首相は、"unique on the world stage" と、隣り合わせた国同士の独特の(または特別な)関係性を強調。

その後に具体的に地理や経済を共有している事を書く事で、カナダがアメリカにとって親密な国である事をアピールしています。

因みにカナダは英語が公用語ですが、フランス語も公用語なので、同様の内容をフランス語でもTweet、声明文も発表しています

もちろんアメリカに向けてだけであれば、英語だけで充分でしょうが、どんなメッセージをアメリカに対して発したかを自国民に伝える事も大事ですから、英語とフランス語でTweet、声明文を発表したのでしょうね。

Diplomatic English
外交英語

その他の国の首相や、国際的な組織もバイデン氏やハリス氏に、お祝いのTweetやコメントを出しています。

それぞれにアメリカとの関係性においてアピールしたい点を盛り込むなどしていますが、誤解をさせない、言葉尻をつかまれて無用な争いを起こさない表現を、細心の注意を払い用いています。

こう言った英語表現は "diplomatic English" と呼ばれています。アメリカ国務省で働く通訳者や翻訳者は、この「diplomatic English = 外交英語」を、勉強して修得しなければなりません。

実は、2020年11月14日 この「diplomatic English = 外交英語」の神様的な存在で、アイゼンハワーや、ケネディー大統領などの通訳をされた Fernando van Reigersberg 氏の講演がオンラインにて開催されます。

Reigersberg 氏は、宇宙飛行士のアームストロング船長の通訳も務められているので、興味深いエピソードが聞けるかもしれません。ご興味のある方は、以下リンクにて詳細及び申込方法をご確認の上、ご参加下さいませ。

TAALS in Conversation with Fernando van Reigersberg

November 14, 2020
10 AM Pacific / 1 PM Eastern time
https://myemail.constantcontact.com/New-Event--TAALS--Conversation-with-Fernando-van-Reigersberg-.html?soid=1134391967527&aid=vdpjugHQ_2A

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