日本語に不慣れな外国人にも、わかりやすい表現の日本語「やさしい日本語」はご存知ですか?
今回は「やさしい日本語」についてご紹介。さらに先日公開された動画『医療で用いる「やさしい日本語」-新型コロナウイルス検査編-』についても、ご紹介します。
やさしい日本語とは?
「やさしい日本語」は、日本語に不慣れな外国人にも、わかりやすい表現の日本語のことを言います。阪神淡路大震災をきっかけに広く普及しました。
分かりやすくシンプルな表現を用いる事で、誰にでも分かりやすい日本語となります。現在は、日本語を母語としない方、高齢者、障がいのある方など、様々な方に用いられています。
「外国人=英語」と言う固定観念は、日本にはかなり根強くあります。
しかし外国人だからと言って英語を理解するとは限りません。特に長期に渡り日本に滞在されている方の場合、シンプルな日本語でのコミュニケーションの方がわかりやすいとの統計も出ています。
参照記事:News Week日本語版
「英語でなくていいんだ!」やさしい日本語でやさしいおもてなし
最近ではそう言った声を受けて、やさしい日本語で書かれたニュース・サイト等もあります。
「やさしい日本語」
新型コロナウイルス検査編
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本で生活する外国人が、医療機関で新型コロナウイルスの検査を受ける場合もあります。
しかし、言語面のサポートが必要な場合でも、検査の場に通訳者の同行がかなわなかったり、通訳者不足から十分なサポートが受けられない事態が生じているそうです。
そこで、医療現場での外国人支援に役立てることを目的に、実際の新型コロナウイルスの検査場面で使われる表現を「やさしい日本語」でまとめた動画教材を、順天堂大学医学部医学教育研究室の武田裕子教授が、医療×「やさしい日本語」研究会 と共同で制作されました。
この動画は、新型コロナウイルス検査を行う医療関係者が広く活用出来る様、無料で公開されています。
さらに、動画で用いられている「やさしい日本語」とその解説リーフレット、「やさしい日本語」言い換え版の問診票が、医療×「やさしい日本語」研究会 ウェブサイトよりダウンロードできます。
ダウンロードページリンク
https://easy-japanese.info/archives/140
※ダウンロードデータはPDF形式になります。
医療×やさしい日本語
医療×「やさしい日本語」研究会のWebsiteには、以下の事が書かれています。
本研究会は、誰にとっても「やさしい日本語」を医療者に紹介し、医療機関への導入・普及を図ることを目的に活動しています。
日本語を母語としない方、高齢者や障がいのある方、子どもたちなど、ことばの理解や聴こえに不安のある方々が安心して医療を受けられるよう、医療者への働きかけを行います。
特に、“外国人との会話は英語”と思い込んでいる医療者に、「在留外国人は英語よりも日本語を理解する人の方が多い」という調査結果を知って頂き、「やさしい日本語」を活用していただけることを願っています。
医療×「やさしい日本語」研究会のWebsiteには、以下の資料も掲載されており、どなたでも活用できるようになっています。
武田裕子教授コメント
どの医療現場も、余裕のない中で患者さんと向き合っておられます。患者さんも不安を抱えています。
緊張の中で、言葉の壁は平時よりもさらに大きく感じられることでしょう。
「やさしい日本語」は、日本語を母語としない外国の方だけでなく、高齢者や障がいのある方など、様々な方にとってわかりやすい日本語です。
医療者にはほとんど知られていないため、日本語やコミュニケーションの専門家、外国人支援NPOコーディネーターと共同で立ち上げた『医療×「やさしい日本語」研究会』と協力して今回の動画を作成しました。
大変な中だからこそ、誰にとっても「やさしい日本語」が効果を発揮することを、実感して頂けたら嬉しいです。
多文化共生社会
ミーハングループでは「やさしい日本語」について、Facebookにて何度かご紹介してまいりました。
通訳・翻訳サービスは、海外とのビジネスに必要なサービスと捉えられがちですが、2019年6月末の在留外国人数は282万9416人。国内においても通訳・翻訳が必要な状況は多くあります。
全ての在留外国人が、日本語を完全に理解している訳ではありません。また全ての在留外国人が、通訳・翻訳サービスを常に利用出来るわけでもありません。
この「やさしい日本語」は、そんな時のコミュニケーションに役立つ方法の1つです。
ミーハングループでは、今後も様々な人々が円滑にコミュニケーションを図る為の方法として、この「やさしい日本語」についての情報もご紹介していきたいと思っています。