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日本の新年を英語で。2022年は寅年

2021年も本当に残り僅かとなりました。2022年は寅年。そこで今回のブログでは「虎・寅」にまつわる話題や、英語のことわざ等を、通訳/翻訳の視点からご紹介したいと思います。

寅?虎?

さて寅年と書く時のトラは「寅」ですが、動物のトラと書く時は「虎」と言う漢字が用いられます。この違いはなんなのでしょうか?

簡単に言えば「寅」は十二支で使われる漢字であり、昔は方角や時間、月や季節等を表す漢字でもありました。

参考サイト
コトバンク 十二支

方角の場合、「子(ね)」を北として12等分されるので、「寅」は東北東を表します。また時間では 「子(ね)」 が午前0時(午後11時から午前1時)を表すので、「寅」は午前4時(午前3時から午前5時)を表します。

時代劇などで『今宵 「子(ね)」 の刻』等と言うセリフを聞いたことがある人も居るのではないでしょうか?

月の場合は旧1月・新2月、季節は立春を「寅」は表すそうです。十二支は、古くは12に等分される様々な事柄に多く用いられていました。

こう言った漢字の違いは、文化や歴史的背景を共有している人同士であればスムーズに理解できますが、それ以外の人には難しいものです。

こんな雑学も「やさしい日本語」や英語を用いて紹介出来たら面白いかも知れませんね。でもその場合は「寅」と「虎」の違いを書いて表す事が出来ないと、難しいかも知れません。

We use different Kanji (Chinese characters) for the Year of the Tiger / 寅 than we do for the animal "tiger / 虎". ”Tiger / 寅" is a Kanji used only in the 12 Chinese zodiac signs. In the olden days, it was used to indicate direction, time, month, season, etc.

十二支

十二支の事は、英語では一般的には Chinese Zodiac と言い、寅年は Year of the Tiger となります。

2020年末に掲載した記事には、お正月飾りなどを英語で紹介する場合の文例などを掲載しています。併せてチェック頂ければ幸いです。

虎を使った慣用句

虎は、ロシアや中国北部にも居ますが、インドやベトナム、マレーシア、インドネシアなどの熱帯から亜熱帯のアジアに、主に生息している動物です。

参考サイト
WWF Japan:これを読めばトラ博士?!絶滅危惧種トラの生態や亜種数は?

ですので、英語で「虎」を使った「ことわざ」は多くありませんが、それでも慣用句(idioms)も含め、幾つかの言い回しがあります。

paper tiger

something, such as an enemy or foreign country, that seems very strong and dangerous but is really weak and not harmful

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/paper-tiger

Cambridge Dictionary

paper tiger は、読んで字のごとく「紙の虎」の事。意味は日本語で言う「張子の虎」に似ていますね。

また have or catch a tiger by the tail と言う言葉もあります。この意味は「虎の尾を踏む」に良く似ています。もしかしたらアジアの言い回しが、英語化したのかも知れませんね。

因みにカントリーソングには "I've Got A Tiger by The Tail” と言う曲があります。(1965年リリース / Buck Owens and the Buckaroos )

さらに、こんな「ことわざ」もあります。

He who rides a tiger is afraid to dismount

One engaging in a risky or dangerous endeavor may find it easier to continue with it rather than facing the consequences of attempting to quit or abandon it.

The Free Dictionary

英語での「虎」を使った慣用句やことわざは、以下サイトで調べる事も出来ます。年末年始、時間のある時に調べてみるのも面白いかも知れませんね。

The Free Dictionary
https://idioms.thefreedictionary.com/tiger

虎にまつわる
ことわざ

日本語には多くの虎にまつわる「ことわざ」や「四文字熟語」があります。

先ほどご紹介した 「張子の虎」 や 「虎の尾を踏む」 は基より、「虎視眈眈」や「虎の威を借りる狐」なんて言葉もありますね。

こんな「虎」にまつわる言葉を、年末年始、英語に訳してみるのも面白いかも知れません。

ポイントは、言葉をそのまま置き換えるのではなく、意味をきちんと理解して訳す事でしょうか。

例えば「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と言う言葉があります。

機械翻訳を使って 「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を訳すと、If you do not enter the tiger's cave, you will not catch its cub と出てきますが、この言葉が伝えたい本当の意味は「リスクを冒さないと、欲しいものは得られない」と言う事だと思います。

なので、この言葉の訳を英和辞典等で調べると、Nothing ventured, nothing gained. 等と出てきます。

言葉の置き換えではなく、意味が伝わる訳にする事。それが通訳/翻訳の大事なポイントであり、ミーハングループが「言語だけに留まらない 文化・ビジネス・心の橋渡し」を合言葉にしている理由です。

良いお年を
お迎えください

2021年 ミーハングループ・ブログをご愛読いただいた皆様、誠にありがとうございました。少しでもブログ記事が、皆様のお役に立てば幸いです。なお本ブログは、2022年1月4日より更新を実施予定です。

皆様が、心穏やかな新年を迎えられる事を、心よりお祈りしております。

通訳/翻訳
についての質問

※コチラの募集は締め切りました。頂いた質問への回答は1月中に本ブログにて返答を掲載致します。ご応募頂いた皆様、誠にありがとうございました。(2022年1月5日追記)

(株)ミーハングループでは、年末年始の特別企画として「通訳/翻訳」に関する質問を2022年1月4日まで募集致しております。

通訳になる為の勉強方法や、通訳の仕事についての質問、翻訳のスキルアップ方法等々はもちろん、例えば「今まで通訳/翻訳会社を使った事がないけれど、どんな風な流れで仕事をお願いすれば良いか?」や、「通訳/翻訳の仕事を依頼するさいに、気をつけたいポイントは何か?」でも結構です。

また、機械翻訳についての質問や、最近翻訳業界でも多く行われているポストエディットについての質問、遠隔通訳に関する質問等、通訳/翻訳に関する事であればなんでも結構です。

詳しくは以下記事にてご確認、どうぞお気軽にご質問下さいませ。皆様からのご質問を我々も楽しみにしております。

ミーハングループ
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ミーハングループでは、感染リスクの懸念も踏まえ、2022年も在宅勤務(テレワーク)を継続。必要時のみ出勤体制にて業務を行います。何卒ご理解、ご了承頂きます様、お願い申し上げます。

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