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海外で評価されている意外な日本 / 書籍ご紹介

今回の本ブログでは、海外で評価されている意外な日本の食べ物、そして意外な展開になっている日本発祥のポップカルチャーについて紹介する書籍2冊「ラブ! キユーピー 味わいつくすマヨネーズのレシピと歴史」と「世界過激音楽 Vol28 世界ヴィジュアル系ガイドブック 日本発・視覚系ロックのグローバル文化史」をご紹介したいと思います。

ラブ! キユーピー
味わいつくす
マヨネーズのレシピと歴史

まず最初に紹介するのは、2025年2月19日 株式会社KADOKAWA より出版された書籍「ラブ! キユーピー 味わいつくすマヨネーズのレシピと歴史」です。

本書の著者は エリス・イナミネ&ジェシー・ユーチェン( Elyse Inamine & Jessie YuChen)、ヤナガワ智予さんが翻訳をされ、キユーピー株式会社が監修している1冊になります。

原書の「For the Love of Kewpie (The Kewpie Mayo Cookbook)」は、2025年10月にアメリカの Workman Publishing Company から刊行されました。

原書・FOR THE LOVE OF KEWPIE のPR動画

本書は、2025年に100周年を迎えたキユーピー マヨネーズの誕生から現在に至るまでの軌跡を、貴重な資料とレシピを織り交ぜ、フルカラーで紹介。

世界中の食卓で愛されてきたキユーピー マヨネーズの魅力を、ビビッドに、お洒落にまとめたユニークな翻訳書とのこと。

マヨネーズ発祥の地は?

因みにマヨネーズの発祥の地については、キユーピーのWebsiteで以下の様に紹介されています。

発祥は地中海のメノルカ島

18世紀半ば、メノルカ島(スペイン)での出来事です。当時イギリス領だったこの島にフランス軍が攻撃をしかけました。その指揮をとっていたのがリシュリュー公爵。戦火の中、公爵は港町マオンで料理屋に入り、お肉に添えられたあるソースに出会いました。

そのソースを気に入ったリシュリュー公爵は、後にパリでそのソースを「マオンのソース」として紹介しました。

それが「Mahonnaise(マオンネーズ)」と呼ばれ、その後「Mayonnaise(マヨネーズ)」となりました。
これがマヨネーズの最も有力な起源説といわれています。

https://www.kewpie.com/education/information/mayonnaise/birth-story

同ページでは、その後マヨネーズがどの様に日本に広まったかも紹介されていますが、元々は海外で生まれたマヨネーズが、アメリカを経由し、日本で独自に進化。世界に愛されるブランドになったのは、本当に興味深い話です。

プレスリリースより

お料理にかけてよし、添えてよし、混ぜてよしのキユーピー マヨネーズは、100年もの長きにわたり、私たちの食生活を彩ってきました。

初めて発売された1925年にガラス瓶だった容器は、こだわりの詰まったキャップ付きポリボトルに姿を変え、「かける・つける」だけではなく、油の代わりに調理に使うといった新たな楽しみ方も広がっています。

100年間ずっと変わらないのは、卵をはじめとする素材にこだわったマヨネーズへの情熱と、シンボルキャラクターのキユーピー、そして、世界中に多くの“マヨラー”を生み出し続けているそのおいしさ――。

本書には、キユーピー マヨネーズのファンはもちろん、マヨネーズを愛するすべての人を満足させる歴史とこだわりが詰まっています。

キユーピーブランドへの熱い想いがこもったかつての広告や、創始者 中島董一郎の言葉をはじめとする貴重な資料に加え、ユニークなアメリカン・レシピも掲載!

50のレシピのなかには、「お手製ソースのチキン焼きそば」や「揚げポテトたこボール(たこ焼き)」、「ねぎ生姜ダレのクリスピー豆腐」など、アメリカンなアレンジの効いた日本食の人気者も多数入っており、思わず試してみたくなります。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000018761.000007006.html

世界が評価する
日本の逸品

株式会社KADOKAWA の 書籍「ラブ! キユーピー 味わいつくすマヨネーズのレシピと歴史」紹介ページには、翻訳者 ヤナガワ智予さんのコメントも紹介されています。

現在「マヨネーズと言えば、日本のキユーピー マヨネーズが最高!」と言う高い評価を、世界からキユーピー マヨネーズは受けていますが、そのことを知らない日本人も多いはず。

ぜひ本書を読んで、キユーピー マヨネーズの魅力だけでなく、世界で評価される日本の知られざる逸品、知られざる日本人の努力を知るのも良いかも知れません。

株式会社KADOKAWA
書籍「ラブ! キユーピー 味わいつくすマヨネーズのレシピと歴史」紹介ページ

https://www.kadokawa.co.jp/product/322510000897/

ケチャップ?
通訳者からのTips

ミーハングループ代表
英日/日英 通訳・翻訳者
右田アンドリュー・ミーハン

マヨネーズと言えば、ヨーロッパのベルギーやオランダでは、フライドポテトにマヨネーズをつけるのが一般的です。

一方でアメリカでフライドポテトにつけるソースと言えば、やはりトマトケチャップ / Tomato ketchup が一般的です。

日本でも Tomato ketchup はトマトケチャップ または単に ケチャップと呼びますが、英国及び英国の英語がベースのエリアでは、ケチャップ / ketchup が全く通じない訳ではないですが、 トマトケチャップのことは Tomato Sauce と言うことが多い様です。

因みにカナダはイギリス連邦 / Commonwealth of Nations or The Commonwealth の国ですが、ケチャップ は ketchup と言うとのこと。

確かにケチャップはトマトソースですが、それでは何故、アメリカではトマトソースの事をケチャップ / ketchup と呼ぶ様になったのでしょうか?

株式会社ドール / Dole Japan, Inc. Websiteより

ケチャップのルーツはアジアの魚醤?
ケチャップの由来には諸説ありますが、その語源からアジアにルーツがあるとする説が有力です。中国には古くから「ケ・ツィアプ」と呼ばれる調味料があり、これは現在のナンプラーや魚醤のように、魚を発酵させて作ったものでした。それが17世紀ごろ、東西貿易が盛んになるなかでアジアからヨーロッパに伝わったと考えられているのです。

ところがその後、ケチャップはヨーロッパでは大きく姿を変えて広まります。かきやロブスターなどの魚介類のほか、きのこやフルーツなどさまざまな材料で作ったケチャップが登場するのです。よく知られているのはマッシュルームのケチャップ。マッシュルームに塩をふり、出てきた汁に香辛料を加えて煮詰めたもので、現在も調味料として使われています。

新大陸で生まれたトマトケチャップ
そんなケチャップがトマトと劇的な出会いをしたのが新天地アメリカです。18~19世紀にアメリカに渡ったヨーロッパ人たちは、当時普及し始めていたトマトでケチャップを作ったのです。当初は家庭で手作りされていましたが、やがて工場で大量生産されるようになりました。作り方は、完熟トマトを煮詰めたものに、砂糖や塩、酢、スパイスなどを加えるのが基本。製造業者は各社それぞれ製法に工夫をこらし、そのレシピは重要な企業秘密でした。(後略)

トマトケチャップから日本独特の洋食が誕生
日本にケチャップが登場するのは明治時代。当時すでにトマトケチャップが主流になっていたアメリカから伝わったため、日本では当初からケチャップといえばトマトケチャップでした。やがて、国産のトマトケチャップの製造も始まり、洋食の普及とともに需要も伸びていきます。チキンライスや、チキンライスを卵で包んだオムライス、スパゲティナポリタンなどは日本で生まれた洋食メニューですが、トマトケチャップはそんな日本独特の洋食文化を生んだ立役者でもありました。(後略)

https://www.dole.co.jp/lp/jp/magazine/column/detail/27/

紹介した動画 Why Is It Called “Ketchup” and Not Just Tomato Sauce? では、日本語の「旨味」が語源となった言葉 Umami flavor がつかわれていました。皆さん気がつかれましたか?

umami noun (From the Cambridge dictionary)
a strong taste that is not sweet, sour, salty, or bitter and that is often referred to as "the fifth taste":

英語の世界では、子供の頃から基本的な味の表現を5つの種類に分けて教わります。sweet (甘い) salty(しょっぱい)bitter (苦い)sour (酸っぱい)そして savoury(旨味)です。

しかしここ 10年ぐらい、savoury が少しずつ umami と言う表現に変わってきました。

ただし、その様な表現を使うのは、ほとんどの場合 飲食や料理関係、食通の人でしたが、最近では TikTok や YouTube の 日本に関する動画の影響で、特にクールな表現を好む若者層も、例えば matcha (抹茶)みたいな感じで umami (旨味)を使っている様です。

ミーハングループ
日英 翻訳・通訳者
アラン・エバンス


マヨネーズもケチャップも、本当に身近な食べ物 / 調味料 / ソースですが、その名前の由来や背景を調べると、様々な国や言葉、文化が混じり合う興味深い歴史があったりします。

また、最初にご紹介したキユーピーマヨネーズの様に、日本人には余り知られていないけれど、世界的に評価が高まっているモノ、注目されているモノなどもあります。

この様な話題は、思わぬところで会話に出てきたり、例えば食品関連の国際会議のアイスブレイクネタとして登場したりする事もありますから、全てを知る事は難しいですが、通訳者・翻訳者は様々な事柄、歴史、文化にアンテナを張り巡らせておくことは大事です。

右田アンドリュー・ミーハン

世界ヴィジュアル系
ガイドブック

続いて紹介する書籍は、2026年3月10日パブリブより出版される「世界過激音楽 Vol28 世界ヴィジュアル系ガイドブック 日本発・視覚系ロックのグローバル文化史」です。

本書は、世界30の国と地域から、総勢157組のヴィジュアル系アーティストを網羅し、計215作品のディスクレビューを掲載した書籍とのこと。著者は水科哲哉(みずしなてつや)さんです。

日本発祥のヴィジュアル系という音楽カルチャーは、今や世界へと伝搬し、各国で独自の進化を遂げながら “Visual Kei”(中華圏では“视觉系”ないし“視覺系”)という国際的な音楽ジャンルになっているとのこと。

元々ヴィジュアル系は、例えばT-REXDavid Bowieに代表されるグラム・ロックや、ロックバンド KISSを始めとしたバンド等、海外のアーティストから影響を受けつつ、日本独自の発展を遂げたジャンルでもあります。

世界にヴィジュアル系が
広まった背景

海外で行われる漫画やアニメ関連の展示会でライブをしたり、アニメやゲームに楽曲提供をしたりしていた日本のヴィジュアル系バンド。

書籍「世界過激音楽 Vol28 世界ヴィジュアル系ガイドブック」に登場するアーティストの中にも、日本の先人達がアニメやゲームに提供した曲をきっかけにヴィジュアル系に目覚めたケースが多々見られ、少なくとも 38組(約24.2%)が歌詞の一部または全部が日本語の曲をプレイしているそうです。

本書では “Cool Japan”とヴィジュアル系との接点が見えてくるコラムや、YOHIO、Madmans Espritなどアーティスト10組へのインタビューを掲載。音楽・ファッション・思想・受容のされ方まで立体的に掘り下げているそうです。

アメリカ・ノースカロライナ州発のヴィジュアル系ソロプロジェクト Canary Complex(カナリー・コンプレックス)のミュージックビデオ

ヨーロッパ、アジア、果ては南米に至るまで「え、そこにもヴィジュアル系が!?」という驚きが満載の1冊となっているそうです。

こちらも、日本人が意外と知らない世界に広がる日本文化の1つではないでしょうか。

「Visual Kei」は、もはや日本語ではない。30の国と地域から157バンド紹介!!

海外で独自進化、逆輸入ブーム、クールジャパンとの禁断の化学反応!

日本で生まれた「ヴィジュアル系」は、今や世界へと伝搬し、各国で独自の進化を遂げながら“Visual Kei”という国際的ジャンルになっています。

ヨーロッパ、アジア、南米まで「え、そこにもヴィジュアル系が!?」という驚きが満載です!

出版社パブリブ「世界過激音楽 Vol28 世界ヴィジュアル系ガイドブック 日本発・視覚系ロックのグローバル文化史」紹介ページより
https://publibjp.com/20260210

リボンにミニドレスという出で立ちで「笑っていいとも!」に登場したこともある、スウェーデンのYOHIO のミュージックビデオ「My Nocturnal Serenade」

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