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マティーニショット ~通訳者が教える 洒落た 英語表現~

マティーニショット / Martini shot と言う英語表現はご存知でしょうか?今回のブログでは、このちょっと耳慣れない英語表現をご紹介します。Steve BuissinneによるPixabayからの画像)

マティーニ

今回のブログでは、ちょっと耳慣れない英語表現「マティーニショット / Martini shot 」をご紹介しようと思うのですが、その前に、そもそも「マティーニ」ってナニ?と言う方もいらっしゃるかも知れませんので、念のため簡単にご紹介します。

マティーニは、ジンをベースにした「カクテルの王様」と言う異名も持つ カクテルのことです。

コトバンク
百科事典マイペディア 「マティーニ」の意味・わかりやすい解説 より 

ドライジンをベースにした辛口のカクテル。

ミキシンググラスにドライジン50mlとドライベルモット10mlを入れ,氷を加えて軽くかきまぜグラスに注ぐ。カクテルピンにスタッフドオリーブをさしてグラスに沈めたりする。

名前の由来については,イタリアのマルティーニ・エ・ロッシ社が自社のベルモットを使ったジンのカクテルを〈マルティーニカクテル〉と呼ばせたからだ,というのをはじめ諸説ある。

〈カクテルの王様〉といわれるくらい人気のあるカクテルで,そのレシピは200種以上もあるという。ベルモットの量を少なくするほどドライになり,ほんの香りづけ程度にベルモットを用いたエキストラドライマティーニも好まれている。

マティーニにまつわるエピソードも多く,イギリスの首相チャーチルは超ドライ好みで,ベルモットの瓶を横目で見ながらジンだけを飲んだなどといわれている。

https://kotobank.jp/word/%E3%83%9E%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8B-635188

Shaken, not stirred
ステアせず シェイクで

Shaken, not stirred このセリフでピンとくる方は、映画「007」のファンの方でしょう。

マティーニと言えば、映画「007」のジェームス・ボンドが「ステアせず、シェイクで / Shaken, not stirred 」と注文する事でも知られています。

ドライジンをベースに作られる事が多いマティーニですが、ジェームス・ボンドがお好みなのはウォッカをベースにした「ウォッカ・マティーニ」。

それも「ステアせず/ not stirred」つまり「かき混ぜる」のではなく、「シェイクで / Shaken 」カクテルシェーカーで振って作られたマティーニがお好みです。

マティーニショット
Martini shot

さて、今回の本題「マティーニショット / Martini shot 」と言う英語表現について、ご紹介しましょう。

「マティーニ」が良く知られたカクテルである事、そして映画「007」に必ず登場するカクテルでもある事は前述のとおりですが、この「マティーニショット / Martini shot 」と言う英語、実は映画業界から来た表現になります。

今は労働時間の規則等もあって、短くはなって来ていると聞きますが、映画の撮影は 1日10~12時間かかるのが一般的、18時間等というのもハリウッドではよくある事でした。

長丁場の現場に慣れている映画制作に関わる人々でも、それだけ働くと疲労困憊、一杯ひっかけて帰りたい気分にもなります。

そこで「マティーニショット / Martini shot 」です。

撮影する前に、監督やアシスタント・ディレクターが Martini shot と叫ぶ=このショット(撮影)の後は、マティーニが呑めるぞ! つまり Martini shot は今日最後の撮影と言う意味になります。

この Martini shot の掛け声を聞いた現場スタッフは、撮影撤収の準備 = Martini を呑むための準備をはじめます。

本当に飲むのは ビールかも知れませんが、Beer shot よりは Martini の方が様になりますよね。

The Martini Shot, And Other Important Shot Names on Set
(MAY 20, 2022 Soundstripe)

“Martini Shot” (also called “Window Shot”) is a Hollywood term for the final shot set-up of the day as named by Cody Whitehouse. The shot was so named because "the next shot is out of a glass", which refers to a post-wrap drink.

https://www.soundstripe.com/blogs/the-martini-shot-and-other-important-shot-names-on-set

上記記事には Martini shot 以外にも映画業界の面白い英語表現が幾つか紹介されています。

日本でも、ある「業界」の言葉が一般化して日常で使われる様に、英語でも映画やスポーツ、様々な業界の言葉や表現が一般化して、ビジネスシーンなどでも使われたりする場合もあります。

例えば、ゴルフの最後のショットに Martini shot などと言ったら、「おっ」と思われるかも知れませんし、相手がその表現を知らなくても、雑談の話題として使えると思いませんか?

ミーハングループ・ブログでは、今後「一杯やる様な」楽しい英語表現、この様な「ちょっと変わった」「耳慣れない」「でも知ったら使ってみたい」表現や言葉も、時々ご紹介していきたいと思います。

Lei-LingによるPixabayからの画像)

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