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チャールズ英国王のアメリカでのスピーチ ~報道から学ぶ英語表現~

英国王 チャールズ3世は、カミラ王妃と共に2026年4月27日~30日までアメリカを国賓訪問。ユーモアとウィットに富んだチャールズ英国王の連邦議会での演説 及び夕食会でのスピーチは、世界中から称賛されました。今回の記事では、このチャールズ英国王のスピーチに関連する英語表現を、幾つかご紹介したいと思います。Pixabayからの画像)

チャールズ英国王
米連邦議会での演説

2026年4月27日~30日までアメリカを国賓訪問した英国王 チャールズ3世は、4月28日アメリカ連邦議会にて演説を行いました。

イギリスとアメリカの長きに渡る歴史と関係を踏まえた、ウィットに富んだジョークにより、人々を大いに笑わせながら、抑えるべき所は抑えた素晴らしい内容と世界から称賛されたこの演説。

YouTube チャンネル トピックス英語塾 さんでは、このチャールズ英国王のアメリカ連邦議会での演説を日本語に訳し、字幕をつけ、さらに人々がなぜ笑っているのか等、演説のコンテクスト解説も含めた動画を公開しています。

ホワイトハウスでの
夕食会でのスピーチ

また、チャールズ英国王は同日夜にホワイトハウスで開かれた晩餐会でも、知的なユーモア満載のスピーチを行い、会場を大いに沸かせました。

A speech by His Majesty The King at the White House State Dinner, Washington(Published 29 April 2026 The Royal Family)

「威厳」 を
英語で表現する

今回のアメリカ訪問でチャールズ英国王が行った連邦議会及び晩餐会でのスピーチは、共にユーモアとウィットに富み、人々に笑いを与えながらも、英国王としての威厳に満ちた内容でした。

デジタル大辞泉 / コトバンク

威厳
近寄りがたいほど堂々としておごそかなこと。「威厳を保つ」「威厳に満ちた態度」

https://kotobank.jp/word/%E5%A8%81%E5%8E%B3-431668



この「威厳」を英語に訳す場合、パッと思い出される表現は dignity かと思います。

from the Cambridge dictionary

dignity noun
calm, serious, and controlled behaviour that makes people respect you:

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/dignity

しかし、君主や人ならざる者(神様等)による、圧倒的なパワーのある、近寄りがたいような「威厳」の場合は、別の表現が用いられます。その1つが、国王や女王の呼称/敬称としても使われる Majesty です。

国王や女王の呼称/敬称として Majesty が使われる場合、日本語では Majesty は「陛下」と訳されます。つまり His Majesty / 国王陛下、Her Majesty / 女王陛下 となりますが、 Majesty または Majestic のみの場合、意味は以下になります。

from the Cambridge dictionary
majesty noun
If something has majesty, it causes admiration and respect for its beauty:

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/majesty

majestic adjective
beautiful, powerful, or causing great admiration and respect:

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/majestic

プログレッシブ英和中辞典(第5版)の解説 / コトバンク

maj・es・ty
/mǽdʒəsti/
[名]((複)-ties)

1 [U]王者の威厳,威風堂々たる風格[物腰,話しぶりなど];尊厳;荘厳さ.

  • with majesty
    おごそかに
  • the majesty of the cathedral
    大聖堂の壮麗さ

https://kotobank.jp/ejword/majesty

これ以外にも「威厳」を表す英語表現は幾つかありますが、高い地位の人や指導者、リーダー等の「威厳」を表す英語表現として Gravitas が用いられる場合もあります。

この Gravitas は、ラテン語の「gravitas=重さ、重厚さ」から生まれた言葉で、人に対して使う場合は比喩的に「威厳、存在感、影響力」等を意味します。

from The online etymology dictionary

gravitas(n.)

1924, usually in italics, from Latin gravitas "weight, heaviness;" figuratively, of persons, "dignity, presence, influence" (see gravity). A word wanted when gravity acquired a primarily scientific meaning.

語源辞典 The online etymology dictionary では上記説明が掲載されていますが、Gravitas は重力を意味する gravity とも関連する言葉でもあります。

そう言う言葉の背景を知ると、Gravitas が持つ言葉のイメージ、つまり重力=存在感や影響力を持った人と言う比喩的表現 / 意味を理解しやすいと思います。

from the Cambridge dictionary

gravitas noun
seriousness and importance of manner, causing feelings of respect and trust in others:

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/gravitas

Cambridge dictionary の説明にある「他者から敬意と信頼を抱かせる様な、真摯さと重みのある態度」を、ギュッと凝縮した場合「威厳」と言う日本語訳に繋がると言えるでしょう。

とは言え Gravitas は、日本語で言うと「威風堂々」と言った四文字熟語的な使われ方をする言葉でもあります。

例えば leading with gravitasspeak with gravitas または、パワフルで存在感のある(リーダーに適した)人物と言った意味で a person with gravitas 等と言う表現もビジネスシーンやビジネス書等では良く目にします。

通訳者からのTips

Gravitas は通常 xx with gravitas という様な使われ方をする事が多い英語表現で、「潔く、真摯に、拳を振り上げなら」みたいな、重さと力強さ=男性的なイメージを持つ言葉です。

ビジネスや政治のトップがよく使う言葉でもあるので、日本語に訳す場合、男性的な表現と言う意味では「猪突猛進」も、文脈によっては使えるかも知れません。

スピーチの結句等、決まり文句的な英語表現でもあります。

内心は別として、表向き、つまり部下や国民に対して「私はいくじなしでないですよ」というメッセージを伝える際の態度を表す言葉とも言えるでしょう。

右田アンドリュー・ミーハン

ロッド・スチュワートと
チャールズ英国王

チャールズ国王が設立した慈善団体「キングス・トラスト(旧プリンス・トラスト)」の50周年を祝う記念イベント / A King's Trust Celebration が、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで2026年5月11日に開催されました。

このイベントには、チャールズ国王とカミラ王妃をはじめ、ジョージ・クルーニーとアマル・クルーニー夫妻、イドリス・エルバなど多数のセレブリティが参加。

ローリング・ストーンズのロニー・ウッドと共にステージでパフォーマンスを披露したロッド・スチュワートは、チャールズ英国王と会場にて対面した際に、アメリカでのスピーチに関して以下の様な発言をしました。

ニュース・サイト「amass」の記事より

「アメリカでのご活躍、本当にお見事でした。素晴らしかったです。本当に最高でした。あの小生意気な奴を黙らせてやりましたね」

https://amass.jp/189433

元記事 independent (Tuesday 12 May 2026)
Rod Stewart congratulates King for putting ‘ratbag’ Trump ‘in his place’ / Charles appeared to laugh off Sir Rod’s comment, as Rolling Stones guitarist Ronnie Wood grinned next to them

"May I say, well done in the Americas. You were superb, absolutely superb, put that little ratbag in his place." 

https://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/rod-stewart-king-charles-trump-b2974712.html

ここで使われた英語表現 ratbag は、ちょっと古い表現(つまりロッド・スチュワートの世代が使う、最近では使われない表現=死語)かつ、スラングまではいかないまでも、上品とは言えない言葉とのこと。

from the Cambridge dictionary

ratbag noun
an unpleasant person; sometimes used humorously about someone you like:

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/ratbag

Cambridge dictionary は「好きな人に対して(皮肉的、または近しさや愛情表現として)使う場合もある」と説明していますが、意味は「嫌な奴」「悪ガキ」「クソガキ」または英語表現を踏襲すると「ドブネズミ野郎」と訳す事も出来ます。

ニュース・サイト「amass」の記事では「あの小生意気な奴」と訳していましたが、これはメディアでの表現ルールに乗っ取って、穏当な日本語表現を使用したのではないでしょうか。

さらに、このロッド・スチュワートの発言で面白いのは、チャールズ英国王に対しての言葉なので、冒頭では May I say, と言う丁寧な表現を使っているにも関わらず、その後に put that little ratbag in his place. と言った「くだけた表現」で自分の気持ちを伝えている点です。

非常にロック・スター的な、またはロンドンの労働階級出身であるロッド・スチュワート的な冗談発言とも言えると思います。

因みに彼は、長年に渡る音楽界への貢献が評価され、2016年に英国政府によりナイト爵位を授与されており、加えて大英帝国第3級勲位(CBE)も授与されている事から、正式な肩書は Sir Rod Stewart / ロッド・スチュワート卿 となります。


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